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羅津−ハサン鉄道、7年間の軌跡

朝ロ・モスクワ宣言を具現

 【羅先発=李相英記者】4日、朝鮮とロシアの協力事業である、羅津−ハサン鉄道および羅津港改修着工式が現地で行われた。これによって朝鮮半島を経由するアジアとヨーロッパ間の物資輸送網構築構想が動き始めた。

鉄道網を構築

4日に行われた着工式の様子 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 朝鮮とロシアの鉄道連結事業は2001年、両国の首脳レベルで初めて内外に公式発表された。

 朝鮮とロシアは01年8月4日、金正日総書記とプーチン大統領が署名した朝ロ・モスクワ宣言を通じて朝鮮半島とロシア、ヨーロッパを連結する鉄道輸送ルート創設のために朝ロ間の鉄道連結事業を本格的に推進していくことを公表した。

 モスクワ宣言第6項には「双方は世界的実践で公認された相互利益の原則に基づいて、朝鮮半島の北南とロシア、ヨーロッパを結ぶ鉄道輸送路創設計画を実現するため、必要なすべての努力を傾けることを公約しつつ、朝鮮とロシア鉄道連結事業が本格的な実現段階に入ることを宣言した」と明記されている。

 朝ロが合意した事業は「鉄のシルクロード」とも呼ばれ、アジアとヨーロッパを連結するユーラシア横断鉄道網構築の重要な構成要素となる。

 モスクワ宣言の精神を具現するため朝ロの鉄道関係者はその後、互いに相手国を頻繁に往来しながら事業を着実に推進してきた。

合弁会社設立

 同事業は06年から本格的な軌道に入った。

 今年3月、朝鮮側の金容三前鉄道相がロシアを訪問し、朝ロ両国間の鉄道連結のための問題を討議した。その第1段階の措置として、咸鏡北道の羅津とロシア沿岸地域の国境にあるハサン間鉄道を改修近代化することに合意した。

混合線鉄道敷設作業を行う双方の技術者 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 7月にはロシア鉄道株式会社代表団が訪朝し、金容三前鉄道相と会談した。

 同じ時期、朝鮮逓信省とロシア・トランステレコム会社が豆満江−ハサン区間に光ファイバー通信ラインを建設し、共同運営合意書を締結するなど、鉄道改修近代化事業のための環境整備も同時に推進した。

 羅津−ハサン区間鉄道と羅津港の改修事業をロシア鉄道株式会社が担当することも決定、双方は数次にわたる交渉と現地調査を行い、鉄道と港の運営方式などに合意した。

 昨年4月には、鉄道省とロシア鉄道がハサン−羅津鉄道区間の改修近代化に関する覚書を締結した。覚書には、羅津−ハサン鉄道区間の改修近代化事業のため朝ロ合弁企業を設立する点に言及されている。

 11月、ロシア鉄道代表団が羅先を訪問。羅津−ハサン間鉄道の一部区間と羅津港に対する最終調査を行い下準備は最終段階に入った。

 今年3月、鉄道省とロシア鉄道側は平壌で会談を行い▼羅津港にコンテナ埠頭建設、羅津−ハサン間の鉄道を改修▼シベリア横断鉄道を利用した国際貨物中継輸送で協力▼以上の事業を担当する合弁企業創設に関する法的・技術的問題などを協議した。双方は「最短期日内にハサン−羅津間の鉄道と、羅津港改修に着工」することに合意し、今年中に羅津港からヨーロッパまでのテスト貨物輸送を行うとの見通しを示した。

 現在、ロシア鉄道側はハサン−羅津間の鉄道改修を契機に、羅津港へ納入される貨物をシベリア横断鉄道(TSR)を使用してヨーロッパに輸送する計画を立てている。

 3月の会談後、双方は「朝鮮民主主義人民共和国合弁法」に沿って合弁会社設立契約を結んだ。

 8月6日には羅先国際コンテナ輸送合弁会社と鉄道省東海鉄道連運会社の間で羅津−豆満江鉄道賃貸契約書が締結された。

 羅津−ハサン区間鉄道と羅津港が改修近代化されると、東北アジアからロシアやヨーロッパへ向かう物資を輸送する新しい基盤施設が整備されることとなる。またこの事業は、羅先経済貿易地帯の活性化にも寄与することになる。

[朝鮮新報 2008.10.8]