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〈インタビュー 全吉洙鉄道相〉 朝ロ国境地帯、「経済発展に寄与する輸送基地に」

鉄道、港改修の意義

 【平壌発=李相英記者】羅津−ハッサン鉄道および羅津港改修着工式が4日、朝ロ国境地帯の羅先市豆満江駅朝ロ親善閣で行われた。全吉洙鉄道相に今回の事業の政治・経済的意義、今後の日程、展望などについて現地でインタビューした。

−羅津−ハッサン鉄道および羅津港改修に対する着工の意義は。

ロシア側の技術者に混合線鉄道敷説工事用の工具を手渡す全吉洙鉄道相とロシア鉄道のヤクーニン総社長

 朝鮮とロシアは今月12日、外交関係設定60周年を迎える。このような歴史的な時期に、朝ロ親善の象徴である豆満江朝ロ親善閣前で着工行事を行った。

 羅津−ハッサン間の鉄道改修計画は2001年、両国の首脳が署名した朝ロ・モスクワ宣言によって礎が築かれた事業だ。今回の着工式はまず、双方の首脳の合意が実現段階に至ったことを示したことに意義がある。

 また、同事業は両国の人びとの共同の発展と利益に全面的に符合する大規模な協調実現の第一段階である。ここにもうひとつの意義を指摘することができる。今回、着工式を行うことによって両国の鉄道部門は、新たな協調の一歩を踏み出した。

 羅津からハッサン区間の距離は長くない。しかし、ここで朝ロの協調が実現することによって両国の経済と交通運輸に寄与する陸上輸送通路が新たに整備されることになる。そして、羅津−ハッサン区間での協調は、朝ロ二国間の範囲を越え、アジアと欧州間の大陸間輸送を円滑に保障できる国際輸送通路の実現に向けた重要なカギとなる。

−ロシアの鉄道部門との協力に対する朝鮮側の立場は。

 羅津−ハッサン区間鉄道および羅津港の改修事業のために、朝鮮鉄道省とロシア鉄道株式会社など双方の鉄道機関の実務者は数年間にわたって会談や接触、現地視察を行ってきた。その結果、鉄道と港の改修事業を推進する合弁会社の設立をはじめとする協力の枠組みが法的、実務的に完成した。

 伝統的な朝ロ親善関係を引き続き強化、発展させることは朝鮮側の一貫した立場だ。現在、朝ロ関係は政治、経済、文化などさまざまな分野で深まっている。双方は今回の協力事業を契機に伝統的な親善協調関係を新たな段階へと発展させるだろう。今回の着工式はあくまでも第一段階にすぎない。計画を実現するために双方の継続的な努力と協力が必要だ。

−同事業が羅先経済貿易地帯の活性化に与える影響は。

 羅先市はロシアに隣接している地帯で、伝統的にロシアと深い関係にある。今回の協力事業を契機に両国間の往来が増え、双方の経済発展に寄与する羅先の地帯的特徴とその重要性がいっそう浮き彫りになるだろう。

 鉄道網と港の改修は、同地帯の下部構造を整備しその経済的な潜在力を引き出すうえで大きな意味をもつ。羅先に物流、輸送の一大拠点が立派に築かれればこの地域の開発事業もさらに活性化するだろう。

−改修事業の今後の日程と展望について。

 羅津−ハッサン鉄道の改修区間は約54キロだ。完工後は年間400万トン、コンテナ10万個分の輸送能力をもつ。

 一方、羅津港の改修は3段階に分けて行われる。羅津港には3つの埠頭があり、ロシア側の協力対象は第3埠頭だ。

 羅津港改修工事の内容は古い設備の撤去とクレーンなど新設備の導入、埠頭の拡張および補強などだ。当面、第1段階工事は2010年10月末までに完成させる計画だ。展望的には羅津港に大規模コンテナを取り扱える能力のある埠頭が完成することになる。

 われわれはロシア側の関係者と力を合わせ、同事業を早期に高い水準で完成させて両国の人びとの期待に応えたい。

[朝鮮新報 2008.10.15]