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朝鮮メディア 平和協定締結の重要性強調

恒久平和実現へ切実な課題

 新年を迎えて、労働新聞をはじめ朝鮮の各メディアは朝鮮半島の平和保障問題に関する論評、論説を相次いで発表、半世紀以上続く朝鮮戦争停戦体制の問題点を指摘し、平和協定締結の必要性を強調している。

政策転換の試金石

 労働新聞12日付の論説は、朝鮮半島に緊張状態と戦争の危険が恒常的に醸成されているのは、「地域に恒久的な平和保障システムが樹立されず、停戦状態が持続しているため」だと分析、停戦協定について、「一時的な戦争中断措置にすぎず、確固とした平和保障措置ではない」と不安定な停戦体制がはらむ問題点に言及した。そして、「戦争の根源をなくし強固な平和を達成するには、冷戦の産物である停戦協定を平和協定に転換しなければならない」と、平和協定締結の必要性を訴えた。

 論説は、「朝鮮は朝鮮半島の平和保障に向けて停戦協定を平和協定に転換すべきであると終始一貫して主張してきた」と、この問題に対する朝鮮側の立場を説明する一方、「問題は米国側にそのような意志があるのかないのか、ということだ」と、米国側の行動を促した。

 停戦協定の平和協定への転換は、「米国に対朝鮮敵視政策を撤回して朝鮮半島の平和を保障しようという意志があるのかを測る試金石」というのが朝鮮側の認識だ。

 現在、6者会談の進展とともに朝米関係にも一連の変化が現れ、核問題の平和的解決に向けた朝米間の対話が引き続き行われている。論説は、「朝米敵対関係を解消し相互信頼を醸成することは、米国自身の利益にもなる」と指摘、米国が敵視政策を一刻も早く放棄し、平和協定締結の勇断を下すべきだと主張した。

統一に向けた課題

 一方、「強固な平和保障は切迫した現実的課題」と題された労働新聞9日付の論説も、平和保障問題を「統一に向けた重要な課題」として提示した新年3紙共同社説を引用し、統一と民族繁栄の実現という観点から平和協定締結問題の重要性を論じた。

 論説は、北南間でさまざまな分野の対話と協力が進んでいる現在の状況を肯定的に評価し、北南間の対話と協力、交流、相互不信の除去と信頼醸成の重要性を強調しながらも、それらに先立ち「これ以上解決を先延ばしすることのできない優先的な課題」として、「軍事的対決の清算と平和保障問題」を挙げた。

 また、米国の対朝鮮敵視政策こそが戦争危機の根源にあるとして、朝鮮半島における平和保障問題の解決のカギは米国の対朝鮮敵視政策の撤回にあると指摘している。論説は「朝鮮半島情勢が対話と平和を志向し、北南関係発展と平和繁栄の道が開かれている現在、米国が朝鮮に対する敵視政策を維持すべきいかなる理由も名分も存在しない」としたうえで、米国に対して「朝鮮と平和共存する道へと踏み出す」よう求めた。

 半世紀以上にわたって持続している不安定な停戦体制は軍事的緊張と戦争勃発の危険性の源になってきた。「停戦協定を一刻も早く平和協定に転換させることで朝鮮半島の恒久的な平和体制を構築しなければならない」というのが、朝鮮側の一貫した立場だ。(相)

[朝鮮新報 2008.1.18]