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〈論調〉 「米国の世紀」論は妄想にすぎない

 最近、米誌「ニューズウィーク」が「中南米−『アメリカの世紀』の終焉」と題する記事で、これまで米国が提唱してきたモンロー主義は完全に放棄されたと指摘した。

 これまで米国は、ラテンアメリカを米国の「静かな裏庭」につくり、そこで際限のない政治的・経済的特権を享受してきた。

 ところが、こんにちになって事情はまったく変わっている。世界的な多極化の流れに乗って米国の独占的支配権から脱し、世界各国と多角的な政治的・経済的協力関係を結ぶための動きが活発になっており、この過程で反米自主、社会主義を志向する流れはいっそう明確になっている。

 問題は、米国の影響力喪失が単にラテンアメリカ地域に限らないという事実である。

 米国が国際舞台で占めていた「絶対的権威」と「影響力」が徐々に、ライバル国に奪われているというのが世論の一致した分析である。

 米国は、軍事力の増強で米国の力を誇示し、世界を制覇する道を開こうとしている。しかし、米国の意思に反してその力は次第に衰弱化しており、国際舞台での影響力が日増しに縮小しているのがこんにちの厳然たる現実である。

 暴力と圧制が強大を誇っていた古代ローマ帝国を滅亡させたように、軍事的専横によって「アメリカの世紀」が遠からず終わるというのは火を見るより明らかな事実である。米国は「アメリカの世紀」論が妄想であることを肝に銘じ、軍事的強権と専横を中止すべきである。(民主朝鮮15日付論評)

[朝鮮新報 2008.1.23]