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「偽ドル」疑惑は米の謀略 労働新聞論評

 労働新聞22日付は「謀略者の正体は隠せない」と題する署名入りの論評を掲載、米国が主張してきた「北朝鮮による米ドル紙幣偽造」疑惑の根拠薄弱さを指摘する欧米メディアの報道を詳細に紹介しながら、米国の主張を「朝鮮の孤立を狙った『謀略キャンペーン』」だと非難した。論評の要旨は次のとおり。

 これまで朝鮮に「核拡散の犯人」「紙幣偽造者」のぬれ衣を着せようとあらゆる浮説を流してきた米国が、実際の核拡散の犯人、紙幣偽造者というのが暴かれて国際的非難と嘲笑を浴びている。

信用度低い「証言」

 年初、米国のマスメディアが「北朝鮮偽造紙幣」説の真相を暴露した。

 ここ数年、米国は朝鮮が偽造紙幣を印刷しているとして、大々的に騒ぎ立ててきた。「紙幣偽造」説に信ぴょう性を付与するために、朝鮮がある国から印刷設備と紙を、またある国からは印刷インクを輸入して米ドルを印刷していると主張しながら、犯人と紙幣を印刷するための版を自分たちに引き渡せという要求まで行った。

 もちろんわれわれは、米国の話にもならない荒唐無稽な主張に対して、いちいち反駁することはしなかった。事実は事実どおりに明らかになるからである。

 最近、米国の各紙は「北朝鮮が100ドル紙幣を偽造している」という当局の主張と関連した捜査過程に提起された一連の疑問点を列挙した。それによると、問題の偽造紙幣の紙が米造幣局が利用しているのとまったく同じであること、数字の100の部分に米造幣局にだけ供給される特殊インクが使用されていること、さらに疑わしいのは偽造紙幣が大量製造されなかったこと−などである。1989年以来摘発された100ドル偽造紙幣の総額は5000万ドルだが、これだけでは、あれほどまでに精巧な紙幣の製造設備と資材を購入するのにはとても足りない金額だという。これは、偽造紙幣の量が紙幣印刷機の購入価格にも満たない条件下で、あえて損をしながら偽造紙幣を印刷することになり、そうしたことはありえないということを示唆している。

 米国のマスメディアはさらに一歩踏み込み、米国が提起した「北朝鮮偽造紙幣」疑惑と関連して証言した「証人」が信用できず、彼らの陳述にも整合性はないということについて報じている。米国が出した「証人」は、「偽ドル」製造の過程を見たことがなく、100ドル紙幣に描かれた図柄も知らないという。彼は、「偽造紙幣」と関連した証言を行えば、見返りに多額の金銭をもらえると思っていたと述べたという。約1年間、米国は捜査グループを設けて調査したが、わかったのは北朝鮮の「偽造紙幣」説は不確実であるということだけである。マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)が「北朝鮮の偽ドル紙幣」を洗浄したというのも、証拠資料が疑わしいという。米紙ニューヨーク・タイムズは、米連邦捜査局(FBI)と連邦制度準備理事会(FRB)、財務省が「北朝鮮偽造紙幣」説と関連した度重なるインタビューの要請を拒絶したという意味深長な報道をした。これについて世論は、「北朝鮮偽造紙幣」説の真相が明らかになり、メディアの執ような追及を避けるのが上策だという打算によるものだと指摘している。

「米の自作自演」説も

 注目されるのは、米国の世論が「北朝鮮偽造紙幣」説が米国の自作自演劇であるという方向に流れていることである。元米造幣局長は、米政権の造幣設備に接触が可能な人物だけがドルを偽造できるという見解を示し、「紙幣製造者−銀行券印刷の秘密世界」の著者は、「偽100ドル紙幣」はもはや偽物と呼べるものではなく、それらは本物の紙幣を印刷する時に非合法的に刷ったものである、そうした「偽造紙幣」は米中央情報局(CIA)のような米国の政府機関だけが印刷できると主張した。強硬派の中心人物であるボルトン前国連大使までもが、北朝鮮が紙幣を偽造しているという確たる証拠を見ていないと述べた。

 結局、米国が「北朝鮮偽造紙幣」疑惑を世論化したのは、朝鮮を孤立させ弱体化させるための謀略キャンペーンにすぎなかったということがことごとく暴かれた。米国メディアは、米国が以前のイラク政府が大量破壊兵器を保持しているという情報に基づいて武力を行使したが、結局それは反フセイン派が提供した誤った情報だったということが明らかになったと指摘し、米国が「北朝鮮を孤立、圧殺」するために「紙幣偽造」説を流布したと暴露している。

 米国は途方もない浮説を流したが、むしろ自らが紙幣偽造の犯人だということが国際社会にさらけ出された。

 米国がわれわれに「核拡散の犯人」のぬれ衣を着せようとする策動も、やはり結果は同じものとなっている。

 最近、米国の各紙は他国に核技術を売り渡すことに米国の高官らが関与したという衝撃的な報道を連日伝えている。

 他国に「核拡散犯人」のぬれ衣を着せていた米国の高官らが核拡散の先頭に立ったことが暴かれたのは、見ものであると言わざるをえない。米国高官らの核技術闇取引行為が露呈したことにより、他国を「被告」に仕立てて「核裁判官」のように振る舞っていた米国は非常に苦しい立場に置かれるようになった。

 謀略は国際的非難と糾弾を免れないだろう。米国は、自分の首を絞めるような愚かな反朝鮮謀略策動を中止し、自国の犯行を世界の前に率直に告白すべきである。

[朝鮮新報 2008.1.25]