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南の統一相人事に非難の声 「ネオコンの入閣許さない」

 南朝鮮次期大統領が、対北強硬派と目されている南柱洪・京畿大教授を次期政権の統一問題担当閣僚に指名したことに対する世論の非難が高まっている。

 政権引継ぎ委員会は1月、現行18省のうち統一、情報通信、科学技術、女性家族と海洋水産の5省を統廃合して13省体制にする再編案を提示。省庁改編案に関する与野党間の対立が続くなか、次期大統領は18日、統廃合の対象になっていない省庁を中心とした15閣僚の名簿を発表、統一省が存続した場合に統一相への就任が内定している南柱洪教授は、無任所の閣僚として発表された。

南朝鮮次期政権の統一部長官人事に抗議する市民団体メンバー(19日、政権引き継ぎ委員会事務所前) [写真=統一ニュース]

 南朝鮮のインターネットメディア「統一ニュース」によると、韓国進歩連帯、「民主社会のための弁護士会」、民主労総など37の市民社会団体は19日、ソウル市内の政権引継ぎ委員会事務所前で記者会見と抗議行動を行った。記者会見では南教授に対して、「極端な冷戦対決政策を標ぼうする『韓国のネオコン』」という非難の声が上がった。

 各界で南教授の起用を憂慮する声が上がっている理由は、統一問題を扱う省庁のトップに「反統一人士」が起用されることへの懸念だ。とくに、南教授が「韓国のネオコン」と呼ばれるほど北に対する強硬、圧迫政策を提唱してきたことから、北南関係はもちろん朝鮮半島の平和問題に「赤信号」が灯ったという認識が広がっている。

 6.15共同宣言実践南側委員会言論本部は16日発表の声明を通じて、北南関係や統一問題に関する南教授の言動を問題視し、「南教授が統一部長官に就任した場合、南北対話が正常に行われるどころか、むしろ南北対立が激化するおそれもある」と指摘した。さらには、南教授の起用は「米ブッシュ政権の中ですら一線から追い出されたネオコンと類似した人物が統一政策を掌握するという意味で時代錯誤的」と指摘し、次期大統領が6者会談プロセスに冷水を浴びせる人事を強行することは、「朝鮮半島関連の外交政策の推進において最初のボタンを掛け違えることになる」と警告した。

 「平和と統一を開く人びと」のオ・ヘラン氏も、南教授が「北側の政権崩壊」などの偶発的状況への対応策を含んだ「概念計画5029」を作戦計画へと発展させることを主張してきた事実に言及、「外交、安保、国防、統一分野が韓米同盟至上主義者によって一体化されることは、非常に憂慮すべきこと」だと述べた。

 今回の人事に反対する市民社会団体は、南教授が予定通り閣僚として登用される場合、大規模な「退陣運動」を展開することを表明している。

 一方で、次期大統領が内外の反発が予想されたにも関わらず南教授の起用を強行したのは、次の総選挙を意識した人事だという分析もある。

 民主労働党のリ・ヨンスン代弁人は18日、「保守層の票を意識した選挙用の人事という疑いを持たざるをえない」と指摘し、「安定議席の確保という政治的目標も大事だが、次期大統領は南北関係の改善と朝鮮半島の平和増進という観点から不適切な人事を即時撤回すべきだ」と注文をつけた。(相)

[朝鮮新報 2008.2.22]