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東京大空襲の朝鮮人犠牲者 被害者遺族協会が報告書

真相究明、謝罪、賠償を

 朝鮮人強制連行被害者・遺族協会は5月24日、「日本の東京に連行され、米軍の空襲によって犠牲になった朝鮮人強制連行被害者問題に関する調査報告書」を発表した。@東京での朝鮮人強制労働犯罪A東京大空襲による朝鮮人強制連行被害者の惨状B日本の態度と立場−という3つの内容で構成された報告書のうち、AとBの要旨を紹介する。

朝鮮人被害者の惨状

 1945年3月10日0時8分、米軍は325機のB29を動員して東京に対する大空襲を始めた。米爆撃機は低空飛行でこの地域に飛来し、焼夷弾をはじめ爆弾を投下した。

 「東京空襲を記録する会」が1973年に出版した図書「東京大空襲・戦災誌」第1巻には、「被害は、主として東京の下町地域に集中し、特に本所区、深川区、城東区、浅草区の4区はほとんど全滅に近い決定的な被害を受けた」と記録されている。

 季刊「戦争責任研究」(日本の戦争責任資料センター)第53号には、空襲当時、朝鮮人の被害状況について「東京在住朝鮮人9万7632人中、戦災者は4万1300人である。死者はこのうちの多数、少なくとも1万人を軽く越すと見られる」と記されている。

 日帝は、空襲があった後に天皇がこの地域を訪れるという口実を設けて、朝鮮人ら死者に対する身元調査すらしないまま、67カ所の公園と寺院、学校の運動場などに土葬し、後で掘り起こして合葬するなど、息を引き取った朝鮮人の遺骨を自分勝手にむちゃくちゃに処理する反人倫的な蛮行を働いた。

 諸般の事実は、東京大空襲で多数の朝鮮人が犠牲になったのは、全的に旧日本政府と軍部の対朝鮮軍事的占領に起因するということを示している。

日本の態度と立場

 日本政府は当然、朝鮮人強制連行犠牲者の身元を確認し、遺骨を死亡直後にすぐ遺族に送り届けるべきであったし、とくに日帝の敗北とともにこの問題を過去清算の一環として徹底的に解決すべきであった。

 日本では通常、厚生労働省が管理している遺骨、即ち、旧日本軍による「軍人」「軍属」としての徴発と、「浮島丸」爆沈事件などによって犠牲になった人々の遺骨だけが朝鮮人遺骨問題の対象であるかのように見なされている。

 朝鮮人犠牲者の遺骨と言う時、それは、日帝の軍事的占領時代に「募集」と「官あっ旋」「徴用」「慰安婦」など各種の名目で日本とその占領地域に連行されて命を失った人びとと、日本でさまざまな冷遇とべっ視のなかで苦役を強いられ、関東大震災や空襲、労働災害、原爆投下などで犠牲になったすべての朝鮮人の遺骨を指す。

 現在、東京都慰霊堂に東京大空襲当時の多数の犠牲者の遺骨があるが、そのうち氏名が確認されたのは4000余人、朝鮮人と思われる氏名は50人しかいない。

 ところが、その朝鮮人犠牲者の遺骨さえも大部分が大きなつぼに合葬されていて、遺骨の見分けがつかず、犠牲者の氏名が記されていてもその遺骨の確定は難しい状況にある。

 このような状況で、日本当局がすでに発掘された朝鮮人犠牲者遺骨に対する医学的鑑定を実施して遺骨の実態を正確に把握し、遺族を探し出す調査を行うことは重要である。

 東京大空襲で犠牲になった朝鮮人の場合、現在、日本当局と東京都、関連企業に当時の「厚生年金資料」「供託金名簿」「埋葬・火葬認可証」「戸籍受付帳」などが保管されているので、まずその調査をして正確な死亡者数を資料とともに公開すべきである。

 しかし、日本当局はこの問題に対する決定的な対策を講じていない。

 今年1月、日本当局が東京の祐天寺にある1100余人の朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨のうち101柱の遺骨を南朝鮮側に返還したというが、大部分の遺骨箱には犠牲者の骨ではなく、遺物や爪などが入っていた。とりわけ由々しいことは、その追悼式で日本の厚生労働省社会援護局外事室長なる者が、「日本の侵略戦争の期間に太平洋の多くの島で命を失った朝鮮人犠牲者の遺骨を遺族に手渡すために日本に持ってきた」「1971年から祐天寺に丁寧に保管して祭ってきた」だの何だのと発言したことである。

 日本当局はこれまで、朝鮮人犠牲者の遺骨問題をめぐって北と南を差別し、われわれにはたった1柱の遺骨も送還していないばかりか、北側出身犠牲者の遺骨も南側に勝手に手渡す行為をはばからなかった。

 日本当局は近年、朝鮮人強制連行真相調査団をはじめ民間団体が朝鮮人犠牲者の遺骨に関する資料と名簿の閲覧や提供を要請するたびに、「プライバシー」「実務的な手続」などを口実に、彼らの正当な要求を受け入れていない。そして、東京の祐天寺に放置されている遺骨を求めて日本を訪れようとした朝鮮側の強制連行犠牲者遺族と関係者の入国を再三阻んだ。

 日本当局は、朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨が日本の海底と廃坑、各地の寺院に放置されていることを知りながらも、何の対策も講じていないばかりか、逆に名古屋市の遺物保管所に置かれていた遺骨を、身元の確認と遺族側への事前連絡もなしに処理する非人道的な行為を公然と働いた。

 これは、国際人道法と日本の刑法をはじめ国際法と国内法に違反する重大な人権侵害犯罪である。

 朝鮮人強制連行犠牲者遺骨問題は、日帝により無念の死を遂げた被害者の恨みを晴らし、遺族の苦痛を慰めるうえでこれ以上後回しにできない人権問題、人道問題となっている。

 日本政府は朝鮮人強制連行・強制労働犯罪と犠牲者の遺骨問題関連の真相を明らかにし、被害者と遺族に徹底的に謝罪し、賠償するなどの実践的措置を早急に講じるべきである。

[朝鮮新報 2008.6.6]