〈論調〉 「新冷戦」論 台頭の背景 |
国際社会は冷戦が繰り返されることを望んでいない。しかし、「新たな冷戦」への憂慮は解消されておらず、それに対する論議も続いている。その背景には、多極化を志向する勢力と一極化を志向する勢力間の先鋭な葛藤と矛盾が潜んでいる。 冷戦が幕を下ろしてから20年になるこんにち、ロシアをはじめとする大国は経済発展を推し進めて米国との戦略的パワーの均衡を図ろうとする意志をいっそう明確にしている。これは、米国の一極化野望への重大な挑戦となっている。 「新たな冷戦」への憂慮が増大し、それに関する論議が紛々としている根本原因は、冷戦時代やそれ以降も変わらない米国の緊張激化策動にある。米国の冷戦策動は、その名分を「反共」から「対テロ」に変えただけで、今も続いている。 米国は、「テロ国家」の挑戦と脅威に対処するには「大量破壊兵器拡散防止構想」(PSI)とMDシステム配備を進め、世界を米国式に「民主化」すべきであるとけん伝している。 これは、米国が冷戦時代に世界支配戦略の主な柱としていた核のこん棒政策と「人権外交」を「対テロ戦」に鋳込んだものである。 米国が冷戦策動に引き続き執着しているのは、侵略と戦争、国際緊張状態の激化を通じてのみ米国の独占資本が生存することができるからである。 米国の時代錯誤的な冷戦政策は、世界の進歩的な勢力の抵抗にぶつかって最終的な破たんを免れず、米国に取り返しのつかない破局的結果をもたらすであろう。(6日発朝鮮中央通信) [朝鮮新報 2008.6.13] |