top_rogo.gif (16396 bytes)

拉致問題 強引な主張で決裂の前例も

 朝・日実務会談の結果、朝鮮は拉致問題の再調査を実施することにした。

 朝鮮は拉致問題の解決のために誠意を持って必要な措置を講じてきた。一方で日本側は疑問事項が残るとしながら、過去の会談でもこの問題を持ち出した。

 昨年9月、ウランバートルで行われた国交正常化作業部会でも、拉致問題に対する双方の立場と見解に違いがあることが確認された。朝鮮側の説明によると、ウランバートルで双方は今後、見解の相違をいかに縮めていくのかについて、雰囲気が醸成され次第引き続き協議していくことにしたという。

 ところがそれ以来、朝・日間で公式会談は行われなかった。その間、日本では政権が交代したが朝鮮に対する圧力対決路線は変わらなかった。

 9カ月ぶりに開かれた今回の朝・日実務会談では「双方の関心事」について話し合われた。ここで日本側は拉致問題をはじめとする懸案に関して自らの立場を朝鮮側に伝えたという。

 過去、日本は拉致問題に関する強引な主張を展開してきた。

 たとえば、昨年3月にベトナム・ハノイで開催された作業部会では、「被害者の死亡が確認されても問題が解決されたとはいえない」と主張したことがある。最初から協議の余地を残さない日本の姿勢によって協議は決裂した。

 朝・日間に一連の合意がなされた今回の実務会談では、日本側が荒唐無稽な論理を出さなかったと見える。

 朝鮮側は日本側が要求する拉致問題の再調査について、再調査に向けた環境と条件を整える必要性を強調してきた。

 朝・日関係を悪化させた日本の「制裁」措置については、「日本側の問題」という見解も示してきた。「制裁」措置は「対決政策の集中的な表現」であり、初めから対話とは両立しない。対話相手に対する制裁は、日本が対朝鮮外交のチャンネルを自ら遮断して、懸案問題の解決を放棄することと同じだ。

 今回の会談の結果にしたがって日本側は朝鮮に対する「制裁」の「部分解除」を講じることにした。対朝鮮「制裁」に対する是正は、朝・日関係改善の雰囲気醸成の第一段階だと言える。朝・日双方は、対話継続に向けた信頼づくりの側面からこの問題を扱ったと見られる。

[朝鮮新報 2008.6.18]