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赤軍派帰国問題 「『よど号』は日本の内部問題」

 朝鮮側は、「よど号」関係者の帰国問題について、当事者自身が決定する問題だという立場を重ねて表明してきた。

 「よど号」事件は1970年に起きた。日本赤軍派が東京発福岡行きの日本航空(JAL)の「よど号」をハイジャックした。飛行機には120人余りの乗客が乗っていたが、赤軍派は機長を銃で脅し平壌に行くことを要求した。

 「よど号」事件は赤軍派が自らの「革命戦略」に沿って起こした事件だったが、歳月が流れ彼らは日本への帰国意思を表明するようになった。

 2002年には「よど号」関係者全員が帰国声明を発表して必要な書類手続を開始した。当時、日本国内ではこの問題について朝鮮側が意図的に講じた措置のように主張する世論が広がった。

 これに対して、朝鮮外務省スポークスマンは「『よど号』関係者が日本に帰国するか否かは徹底して彼ら自身が決める問題であり、朝鮮政府はそれに何の関係もない」との立場を明らかにした。

 朝鮮にとってハイジャック犯は「招かざる客」だと考えられるが、朝鮮側は政治的亡命を希望した彼らを引き渡しの義務のない日本へ強制送還する措置を講じなかった。

 ところが、ハイジャック事件の当事国でもない米国は「よど号」関係者を「テロリスト」と名指し、彼らを「保護」しているとして朝鮮の「テロ支援国」指定の一因としている。一方で、日本でもこれを拉致問題と関連付けて、朝鮮バッシングの世論操作に悪用した。

 「よど号」関係者の帰国問題に対する朝鮮の立場は、ハイジャック事件発生のてん末がどうであれ、日本人が自国へ戻ることについて朝鮮があえてそれを妨げる必要はない、ということだ。

 赤軍派メンバーは2004年、日本への帰国支援を要請する書簡を朝鮮政府に送った。

 メンバーらは、書簡の中で「すでに家族の大部分が日本に帰国しこれ以上朝鮮に残る必要がなくなったため、日本への帰国を希望する」との立場を表明。そして日本政府関係者と直接会って帰国問題を協議できるよう支援してほしいと朝鮮政府に正式要請した。

 これに対する朝鮮政府の立場は、当時、朝鮮中央通信社の報道で表明された。同報道で、「『よど号』問題はあくまで日本政府側と元『赤軍派』メンバーとの間で直接、協議解決すべき日本人自身の内部問題」だと指摘、「日本側が彼らと会い、必要な実務協議の手続きを経て彼らを全員連れて帰れば『よど号』問題は完全に解決されるだろう」と強調した。

[朝鮮新報 2008.6.18]