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日朝友好女性訪朝団、運動展開の糧を得る

隣国関係から日本を見直す

 【平壌発=鄭茂憲記者】朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会の清水澄子代表(元参議院議員)を団長とする日朝友好女性訪朝団(20人)が、6日から13日までの日程で朝鮮を訪れた。一行は平壌市内の託児所や小学校を参観したほか、開城、板門店なども訪れた。また元「従軍慰安婦」、在朝被爆者、強制連行被害者の証言の聞き取りも行った。

「学びの旅」

金正淑託児所を訪れた一行

 清水団長は今回の訪朝を「学びの旅」と位置づけたと話す。それは、自分たちの運動の意味をあらためて考えるということだ。

 日朝友好女性訪朝団は、全国各県の朝鮮女性と連帯する会やI女性会議のメンバー、また複数の地方議会議員たちで構成された。朝鮮女性と連帯する会やI女性会議では、これまでにも朝・日関係の改善に尽力してきたが、「拉致」一色の日本の対朝鮮報道にさらされる日常では、その運動の必要性に対する認識が希薄化することがないともかぎらない。

 「朝鮮が建国60周年をどう迎えているのか、隣国のこの60年間の取り組みを学ぶことが、日朝関係の改善には必要だと考えている。日本では決して見えてこない朝鮮の現実を見て学ぶことで、朝鮮と連帯する必要性、自分たちの運動の意味を理解することができる」と、清水団長は訪朝の意義を語る。

 日本の植民地支配被害者たちの証言の聞き取りも、その一環だ。「日本人は、『従軍慰安婦』も在朝被爆者も強制連行も知らない。日朝問題に本気に取り組んでいくと、日本人の意識の『貧困』が鮮明に見えてくる。日朝問題を理解する過程はすなわち、日本を見直すこと、日本を知ることにつながる。すべて自分たちに戻ってくる」。

 清水団長は、これからの運動は朝・日国交正常化実現に向けた取り組みへと集中していくことが重要だと話す。

 中心となる課題は日本の過去の清算だ。清水団長は、朝・日平壌宣言が調印された9月17日を契機に、朝・日国交正常化を求める全国統一行動を展開し、朝鮮への経済「制裁」の延長期限となる10月13日まで、「制裁」解除を求める取り組みを続けていくという。

 訪朝団には地方議会議員も含まれていたが、清水団長は、地方レベルから中央政府に朝・日問題の解決を求める働きかけが必要だと強調する。

「希望の旅」

 清水団長は、今日の訪朝のもう一つの側面を「希望の旅」だと表現する。

 「朝鮮半島を軸にした東北アジアの動きや歴史の大きな流れを感じ取ることは、自分たちの運動の必要性を感じ、自信を持つことにつながる」

 朝鮮女性と連帯する千葉県女性の会の桑原輝子事務局長は、今回が3回目の訪朝だ。「建国60周年を迎え発展する朝鮮の姿を見た」というのが、桑原さんの感想だ。

 訪朝団の小泉喜子事務局長(朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会事務局長)は初めて朝鮮を訪れた。

 「一貫した計画性をもって国家運営がなされていることがわかった。そして、『従軍慰安婦』、原爆、強制連行被害者の証言を聞きながら、日本が過去の清算をしていないということをあらためて考えさせられた」と述べ、平壌宣言に則った朝・日の国交正常化の必要性を痛感したと話した。

[朝鮮新報 2008.8.27]