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日朝友好親善第32回交流集会 平壌宣言履行、民族教育擁護を

アピール採択、日本政府に求める

日本各地から170余人が参加した

 日朝友好親善を深めるための第32回「全国横浜交流集会」(主催=同実行委員会、日本朝鮮学術教育交流協会、日本教職員チュチェ思想研究会全国連絡協議会)が6日、横浜市教育会館で開かれ、日本各地から170余人が参加した。集会では、午前に基調報告と記念講演をはじめとする全体集会、午後に分科会が行われた。参加者らは、今後も民族教育権の擁護運動や日朝友好活動などを発展、強化していくことを確認した。一方、今集会の成果をもとに、中村元気・日本朝鮮学術教育交流協会会長を団長とする日朝友好親善訪朝団(10人)が10〜13日の日程で朝鮮を訪れた。

 日本で、6・3・3・4年の戦後の教育体系ができて60年、朝鮮学校にとっては、4.24教育闘争から60周年を迎える年に行われた今回の交流集会。同集会は1977年6月、日本教職員組合(日教組)の訪朝経験のある教職員有志が、朝鮮を正しく知ることを通して、日朝友好親善活動を目指そうという目的で催されたのが始まりだ。

 32回目を迎える今集会ではまず、主催者を代表して中村元気会長、日本教職員チュチェ思想研究会全国連絡協議会の清野和彦会長、同実行委員会の加藤良輔委員長がそれぞれあいさつした。続いて、来ひんの日本教職員組合の赤池浩章国際部長と在日本朝鮮教職員同盟中央本部の趙澣柱委員長が発言した。

 日本教職員チュチェ思想研究会全国連絡協議会の大石忠雄事務局長が基調報告を行い、▼朝鮮を取り巻く情勢について▼日本の教育「改革」の動向と国際化時代の民族教育権について述べた。

 報告は、福田政権の後継政権に対して、安倍政権が推進したマスコミを動員しての「圧力」と「制裁」一辺倒の強硬方針がなんら事態を改善できなかった反省に立って、「行動対行動」の原則に基づく日朝対話を進めるよう求めた。そして、平壌宣言に基づいて国交正常化交渉を行い、在日朝鮮人に対する政治的弾圧を止め、制裁措置を解除すること、対話の前提として過去の戦争に対する歴史認識の歪みを正すよう強調した。

 また現在、日本各地に29余りの「朝鮮学校を支える会」があり、2003年にはその全国連絡組織である「外国人学校と民族教育を支える全国連絡会」も結成され、各地方自治体に朝鮮学校への教育助成金の増額支給や、日本人学校と同等の権利付与などの要請や支援活動を行っていることに言及し、日本政府に対して、在日朝鮮人の歴史的経緯を顧みず、民族教育権や財政的な支援を認めない現在の方針を改めるべきだと主張した。

 さらに今後の取り組み課題として▼朝鮮学校を支援する組織のさらなる立ち上げと継続的な活動▼民族教育権など在日朝鮮人の諸権利の確保と自主権擁護運動の強化▼日朝親善の草の根組織の全国展開▼日朝国交正常化の早期実現▼侵略戦争、植民地支配の責任追及と補償を含む具体的措置の実現などを参加者に呼びかけた。

 集会では、武者小路公秀氏(元国連大学副学長)が「日朝国交正常化−平壌宣言にかえれ−」と題し記念講演を行った。

 武者小路氏はまず、日朝交渉において、日本側の戦後責任問題は不可避な課題だと強調した。そのうえで、現在、日本における在日コリアンへの人種主義的な差別は、敗戦後の日本が植民地主義の清算責任を果たしていないためだと指摘した。

 さらに、マスコミなどが「朝鮮脅威論」による日本の軍事化を促す論調を展開していることについて、北東アジアにおける不安定要素を醸成し、国際平和に対する日本の脅威を増大させていると述べ、米国や日本の脅威に対して朝鮮が「先軍」で対応していることの正当性について強調した。

 午後に行われた3つの分科会では、朝鮮の現況と6者会談における朝米関係、朝・日関係の動向、日本各地の朝鮮学校との交流、朝鮮学校卒業生の大学入学資格や朝鮮学校に対する税制上の差別や財政支援の課題、各地の「朝鮮学校を支える会」の活動、朝・日関係の歴史の掘り起こし、国交正常化運動の取り組みなどに関する報告と討論が行われ、それぞれの活動の成果と課題を確認した。

 集会ではアピールが採択された。アピールは日本政府に対して▼平壌宣言に基づいた国交正常化交渉の再開と歴史清算をするよう求め、また▼朝鮮学校教職員、生徒との交流活動を進め▼民族教育権確立運動を発展させ▼文科省に在日外国人学校を1条項に準じて処遇するよう求めることなどが盛り込まれた。(呉陽希記者)

日朝友好深める交流集会アピール(要旨)

[朝鮮新報 2008.9.17]