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〈論調〉 拉致を前提条件に掲げる姿勢を非難

 日本が国交正常化問題でわれわれと政治的駆け引きをしようと下手な芝居を打っている。拉致問題の解決を国交正常化実現の前提条件に掲げている日本の幼稚な行為がそれを示している。最近日本の麻生首相は「拉致問題対策本部」の会合に参加して、「拉致問題の解決なくして日朝国交正常化を期待することはできない」と釘を刺した。

 これまで朝・日間には国交正常化と関連した会談が多く行われてきた。ここで問題になったのは、日本の忌まわしい過去の清算であった。過去の清算のない朝・日関係正常化がありえないということを日本が知らないわけがない。今まで朝・日両国間に国家関係がなく、不信と対立が積み重なった根本原因は、日本が過去の罪悪について誠実な反省と賠償をせずにわが国に対する敵視政策を悪らつに実施してきたところにある。朝・日国交正常化に先だって必ず解決されるべき問題が、まさに過去の清算である。過去の清算は朝・日間の懸案問題の解決において根本の根本である。

 国家間の関係樹立における基本は信頼の保障である。朝鮮と日本との関係では、この問題がいっそう重要である。

 日本が拉致問題を朝・日国交正常化実現の前提条件として掲げるのは、内外で孤立して窮地に陥っている哀れな立場から脱け出し過去の清算をどうにかして免れようとする窮余の策にすぎない。日本が本当に朝鮮との関係正常化を願うなら、過去清算の意志をまず明らかにすべきである。

 日本が今のように朝・日国交正常化が拉致問題解決にあるというやり方の誤った態度を引き続き取るなら、朝・日関係は悪化の道だけを歩むであろう。(労働新聞10月28日付論評)

[朝鮮新報 2008.11.5]