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平壌に初の北南合併会社 紡績工場 「民族共同の利益のために」

 北と南が共同経営する合弁会社、平壌大麻紡績会社が完工した。同社は北側の民族経済協力連合会(民経連)傘下のセッピョル総会社と南側の安東大麻紡織がそれぞれ50%ずつ、総額3000万ドルの資本金を投資して設立した初の北南合弁会社だ。完工式が10月30日、平壌市船橋区域にある工場で行われた。

 式典には合弁会社の社員、役員北側のパク・チャンリョン民経連副会長、南側の金光琳ハンナラ党議員など300余人が参加した。

 キム・ウォンナム・セッピョル総会社社長は「北と南の経済人が民族共同の利益のために知恵を合わせ実りを結んだ」と指摘。パク副会長は「6.15共同宣言と10.44宣言を履行すれば、北南経済協力で成果を得られる」と述べた。

 キム・ジョンテ安東大麻紡績会長は「南と北が共同の利益を生み出し、民族の和解と繁栄の基盤を築く」と述べた。

 一方、金大中元大統領が式典に際して激励文を寄せた。金元大統領は合弁会社の設立について、分断60年の歴史で南北の経済人が力を合わせて成し遂げた「民族の快挙」だと指摘し、「6.15共同宣言の精神に沿って南北経済人たちの和解と協力の枠組みをつくる大きな契機になることを願う」と強調した。また、「南と北が手を取り合えば何でも達成できるということを証明した。限りない発展を心から願っている」と付け加えた。

 敷地面積4万5000u、生産面積1万3000uの工場では現在、500人余りが勤務している。今後、労働者の数はさらに増える見込みだという。原料となる大麻(ヘンプ)は平安北道宣川郡にある農場(1980万u)で栽培され、これを加工し中国やヨーロッパへ輸出する。また、南側の業者ともタオルや靴下などの繊維製品を取引する計画だ。双方は2003年11月に合弁会社設立に合意し、05年10月に創業式を行った。

投資説明会も

 この日、平壌を訪れた南側の企業家に対して民間の経済協力活性化に向けた対北投資説明会が行われた。

 説明会に参加した北側のキム・イルホ三千里総会社社長は、「北南の経済人が手を結べば最先端製品をいくらでも作り出せる」と述べた。一方、南側のある淡水化設備業者の代表は「言葉も通じ、技術も高い北側に事業を提案した」と明らかにした。他の参加者も「今回は可能性を打診する程度だったが今後、本格的に事業を考えてみる」と肯定的な反応をみせた。

 北南の当局間対話は依然として断絶状態にある。キム・ジョンテ安東大麻紡績会長は、現在の北南関係と経済協力について「この状態が続けば(李明博政権の)5年間は何もできない可能性もある」と指摘し、「南北関係の難局が続くことで経済協力事業に参加している企業が多くの損害を受けている」と話す。

 キム会長によると、今後平壌大麻紡績がフル稼働すれば年間6000万ドルの売り上げが期待できる。近日中に双方が参加する理事会が開催される予定だ。キム会長は、今回の事業を成功させ北南経済協力に弾みをつけたい、「責任と使命を感じている」と話した。(陽)

[朝鮮新報 2008.11.7]