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イタリア画家が朝鮮で教授 「伝統と哲学際立つ朝鮮美術」

キャンパスや絵の具をもってチェチオーニ氏の宿泊先を訪ねる朝鮮の学生たち [写真=統一ニュース]

 「伝統と哲学」。イタリアの画家、エウジェニオ・チェチオーニ氏(Eugenio Cecioni、フィレンツェ・アート・アカデミー所属)は朝鮮美術についてこう評する。統一ニュースによると、12月10〜19日の日程で朝鮮の学生らに油絵を指導するため訪朝した。イタリア外務省の命によるものだという。

 同氏は、「朝鮮の美術は非常に深みがある」としながら、「イタリアや欧州の絵画は哲学的な作業を行わず技巧に傾倒しているが、朝鮮の絵画から見受けられる哲学的意味はとても深い」と話す。また、「朝鮮美術は伝統美を守り、その中に哲学が加味されている」と説明する。

 今回が2回目の訪朝となる同氏。「朝鮮の画家の作品は非常にすばらしく、現実的で哲学的な意味をもっている。欧州の画家と比べ、印象的だ。彼らはダイナミックな思考方式で絵を描いている」と語る。

朝鮮の画家との共同制作にも意欲をみせるチェチオーニ氏 [写真=統一ニュース]

 朝鮮とイタリアは2000年1月4日に国交を樹立。それ以降、両国間では芸術分野での交流が活発に行われている。今年の太陽節(4月15日)に際して、朝鮮のギターカルテット公演がローマで行われた。昨年5月、万寿台創作社の作家作品展がフィレンツェとジェノバで開催された。今後も芸術交流はさかんに行われる見通しだ。

 チェチオーニ氏は今後、「作品鑑賞だけでなく、ともに作品を制作したい」と意気込む。「欧州に朝鮮美術を伝えたい。また、朝鮮でも欧州の美術に触れるきっかけになれば」と語る。

 今回の教授は通訳を介して行われた。チェチオーニ氏は、「直に話したり、マンツーマンでの指導はできないが、互いに絵画を通じて対話できるし、彼らの考えを理解できた。美術は数学と違う。数学には正解があるが美術はそうではない。美術は互いの感情を分かち合うのにとてもいい手段だ」と感想を述べた。(陽)

[朝鮮新報 2008.12.25]