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〈金剛山歌劇団ソウル公演〉 伝統の継承、民族教育に強い共感 南各界の声

「統一への大門、共に開こう」

スピーディーな舞台で人気を博した「チェンガンの舞」

 今舞踊公演のテーマは「朝鮮舞踊50年、北の名舞」。

 第1部は文字通り北で生まれた7作品を、第2部はチャンセナプ独奏を含む在日の創作家によって紡ぎだされた8作品を上演する2部構成。

 第1部の「金剛仙女」で幕が上がると、場内にはウォーというどよめきが広がった。

 北の舞台美術の粋をあつめた紗幕による立体感あふれる舞台と舞踊手のすべるような優雅な足運びに、会場からはため息にも似た感嘆の声がもれる。

チマ・チョゴリ切り裂き事件をモチーフにした舞踊。会場からはすすり泣きの声がもれた

 さらに会場を魅了したのは、チャンセナプ独奏の「青山里の豊作」、アンコール曲「アメージンググレイス」。

 その独創的な感性と豊かな伝統音楽の表現に客席が大いにわいた。

 一方、第2部の在日舞踊家が創作した作品も、「在日同胞の生活と受難の歴史がみごとに映し出され、芸術に昇華されたもの」だと関係者らから高い評価を得た。

 初日の公演を観た国会議員の姜恵淑さんは「華やかで優雅で幻想的、しかもリズミカルでテンポもよくすばらしい舞台だった。悠久の歴史を誇るわが民族文化の奥深さを堪能できた。

公演後、舞台裏で出演者たちをねぎらう李在禎統一部長官

 在日同胞たちが異国であらゆる苦難を乗り越えて、次世代のために築きあげた民族教育を描いた秀逸な舞台でもあった。

 しかも、その過酷な現代史は独舞『トラジ』にも象徴されるように現在も続いていることを実感した。昨年、平壌で『アリラン』を観覧したが、平和と統一を求めるその願いの深さに心を打たれ、涙が流れ落ちるのを止められなかった。

 そのときの感動を今日の舞台でもう一度呼び覚まされた。外部勢力がどんなに妨害しても、もはや統一の流れを押しとどめることはできないことを実感させられた。南北の文化交流に、はかりしれない前進をもたらす公演だった」と大成功を心からよろこんだ。

 チャンセナプ奏者の崔栄徳さんと共演した経験をもつ安山市立国楽団常任指揮者の金在栄さんは、「異国で会得するのは難しいチャンダン(リズム)や舞踊の身体の細かな動きを2〜4世たちが身につけ、自在に演じていることに心から感嘆した。

 ここまでの伝統芸術を受け継いできた民族教育とそれを支え続けた北と在日同胞の苦労に頭を垂れる。そのうえ、『高麗三神仏の舞』のように6.15の時代精神を込めた芸術作品を南の地で披露したことはすばらしい。祖国の統一がすでに現実だということを痛感させられた舞台だった」と語った。

 ゙永建・6.15実践南側学術常任共同委員長で統一仏教大学学長は、「どの作品もすばらしかった。祖国統一を希求して異国で闘ってきた人々の情熱と気迫がこもった舞台であった。

 あらゆる迫害に屈することなく気概を持って生きてきた同胞たちの魂にふれて、感謝のことばしかでない。よくぞ、次世代、そのまた次世代へと連綿と高尚な人間精神を伝えてくれたことを、今日の舞台はあますことなく示してくれたと思う。

 ぜひ、南の全仏教徒に『高麗三神仏の舞』を見せたいと思うので、近いうちにまた、金剛山歌劇団を招聘したいと思う」。(文と写真=朴日粉記者、写真=南の月刊誌「民族21」柳洙記者)

[朝鮮新報 2008.1.9]