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愛は −金南柱−

 冬に打ち克ち 愛は
 春を待つすべを知る
 待ちながらも 愛は
 不毛の地を掘り起こし
 己の骨を砕き灰にして撒き
 千年の時を経て今日
 春の丘に
 一本の木を植えるすべを知る

 愛は
 収穫を終えた大地に立ち
 ひとつの林檎をふたつに割って
 分けあうすべを知る
 おまえとわたしと皆が
 ひとつの星を見上げながら

 「詩が私に向かってきた」金龍澤編
 (2001年 マウムサンチェク)

 キム・ナムジュ(1946−1994)
 全羅南道海南郡生まれ。68年に全南大学英文科に入学、「十月維新」に抵抗して地下新聞発行。74年に「創作と批評」に「灰溜まり」「雨」など7篇の詩を発表し登壇。79年に「南朝鮮民族解放戦線事件」で拘束、10年に及ぶ獄中闘争。90年に民族文学研究所長。94年2月13日、すい臓ガンで死去。光州・望月洞の墓には「全身を炎と燃やして国と民族を愛した詩人の魂がここに眠る」と刻まれる。詩集に「鎮魂歌」「農夫の夜」「祖国はひとつだ」など。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.1.15]