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寂境 −白石−

 青あんずばかり欲しがると思ったら 雪の降る朝
 幼い嫁は初の男児を産んだ

 人家のない山の中
 カササギが梨の木で啼いている

 薄暗いかまど場で年老いた独り身の舅が
 わかめ汁を炊く
 村里遠く離れた一軒家でも産後の汁を炊く

「白頭山よ、翔べ」金準泰編・統一を拓く詩
(2007年 図書出版クルヌリム)

 ペク・ソク(1912−1995)
 平安北道定州生まれ。30年「朝鮮日報」の新年懸賞文芸に短編小説が当選し、奨学金で日本の青山学院大学英文科に留学。35年に詩「定州城」を朝鮮日報に発表して登壇。36年に唯一の詩集「鹿」を100部限定で出版。解放後に帰郷、その後朝鮮作家同盟会員、後進育成。最近、南でも紹介され、朝鮮の土俗的な風景を方言で描いた技量が再評価。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.1.28]