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「黄基烈朝鮮歌謡の夕べ」 祖国、同胞への恩返しを

優しく包み込むような美声を披露した。

 「黄基烈朝鮮歌謡の夕べ」が1月25日、東京都杉並区のセシオン杉並ホールで催され、400余人が観覧した。

 金剛山歌劇団のバリトン歌手であり、共和国功勲俳優である黄さん。37年の歌手生活で2回目となったリサイタルでは、黄さんが歌い続けてきた歌や同胞たちに親しまれている歌などが舞台にあがった。

 「幸せは限りなく」で幕を上げた第1部では、祖国解放前に作られ今日も人々に親しまれている「懐かしの歌メドレー」や、今回のリサイタルのために作詞を手がけた「幸せです」などが披露された。また同劇団奏者河栄守さんのコムンゴ独奏「出鋼」も披露された。

バリトン歌手・黄基烈さん

 第2部では、「一番星」「千の風になって」、同劇団歌手の金明鉉さんとの混声重唱「愛のうた」、同劇団奏者李淑任さんの高音チョッテ独奏「金剛仙女」、同劇団男性歌手らとともに重唱「すばらしい祖国」も披露した。最後は「子どもたちよ、ここがウリハッキョだ」「友よ」を歌いきった後、客席のアンコールに応え幕を閉じた。

 「優しく包み込んでいく歌でありたい」と願う黄さんの思いのように、ソフトで叙情豊かな美声に観覧者らは癒されていた。

 広島県から訪れた朴東煥さんは、「今日の叙情歌は、われわれの歩んできた70年代の世相を反映する歌。柔らさのなかに力強さがあった。このような有形無形の財産を守っていかなければならないと切実に思う。在日同胞にとって激動期の今日だからこそ、金剛山歌劇団には、同胞の魂を揺さぶり、なにかを呼び起こす今日のような民族の歌をこれからも歌い続けてもらいたい」と話した。

観客からたくさんの花束が贈られた。

 朝鮮大学校文学歴史学部4年の柳晋児さんは、「子どもたちを高らかに誇った『幸せです』は、とくに心に響いた。また祖国や同胞たちがいて、今の自分があり、歌えるという黄さんの思いに学ぶものが多かった。時代が変わっても、私たちの根はどこにあるのかということを、若い世代にも自覚させてくれる歌を歌ってほしい」と感想を述べた。

 黄さんは、「祖国の限りない慈しみと在日同胞の温かい声援があり、私がいる。この恩を忘れずに、これからも祖国と民族、同胞社会のために歌い続けたい。また、日本の人たちにも私たちのメッセージを伝えていきたい」と語り、「あまりにも幸せだ」と何度も笑みを浮かべていた。(文=姜裕香記者、写真=盧琴順記者)

[朝鮮新報 2008.1.30]