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民俗遊戯も奨励 朝鮮で伝統文化の普及に力

民族性継承へ 盛んな取り組み

 旧正月にあたる2月7日を前にして、朝鮮国内は伝統的な民俗名節を迎える準備で慌ただしい。近年、朝鮮では民族性の継承を奨励する政策が多方面でとられている。具体的には、伝統や風習などの保護や普及、文化遺産の整備、保存、各種メディアを通じた啓蒙活動などが積極的に進められている。また、チョゴリ展示会や朝鮮料理コンテストなど伝統文化の普及を目的とした行事も多数行われ、人びとの生活に定着している。

旧正月を盛大に

市内で民俗遊戯のコマ回しに興じる子供たち

 古くからの民族的名節のうち、現在、国の公休日に指定されているのは旧正月、小正月(陰暦1月15日)、秋夕(陰暦8月15日)の3つ。なかでも正月を一番大きく祝う。朝鮮では一般的に陰暦の1月1日を「ソル(正月)」と呼び、陽暦の1月1日を「ヤンリョクソル(陽暦正月)」と呼ぶ。

 近年、朝鮮では民族の伝統を生かし尊重しようという政策の下、陽暦とともに陰暦の正月も休みを増やすなど大きく祝っている。

 昨年からは、在日朝鮮学生も出演する新年の迎春公演をはじめ陽暦の正月に際して行われていた行事が、旧正月に際して行われるようになった。今年の旧正月は7日から10日までが祝日に定められた。

 社会科学院民俗学研究所のチョ・デイル室長は民俗伝統の継承に関する一連の国家的な措置について、「主体性と民族性を社会生活のすべての分野において積極的に生かし、人びとに民族的矜持と自負心、愛国主義精神を植えつけるため」だと説明する。

 2008年の3紙共同社説も、「社会生活の全ての分野で主体性と民族性を固守」すべき必要性を指摘した。

若い世代中心に

 民族性の継承を奨励する政策のなかでも、とくに民俗遊戯の普及に関する取り組みが目を引く。21世紀に入って、朝鮮では伝統的な民俗遊戯を奨励する政策が国家レベルで実施されている。

 現在まで知られている伝統的な民俗遊戯の数は、基本のものが300余、変種が200余種類あるといわれている。

 ノルティギ(朝鮮式シーソー)、ユンノリ(朝鮮式すごろく)、シルム(朝鮮相撲)、囲碁、朝鮮将棋などメジャーなものから、最近では人形作りなど以前にはなじみの薄かったものも普及し始めている。

 ターゲットは若い世代だ。最近では、新しい遊びが若者の中で作られることも多い。その数は50余種類になる。従来からあるものがアレンジされ、別種の民俗遊戯として生まれ変わったものもあるという。

 市内の各所には民俗遊戯を楽しむことのできる施設がある。綾羅島には2004年6月、国内で初めての民俗遊戯場がオープンした。金日成広場、凱旋門広場など市内の広場では民俗遊戯の道具をレンタルするサービスが人気を集めている。

 1月23〜25日、平壌学生少年宮殿では学生らによる民俗遊戯競技大会が開催された。市内の各区域、郡から選抜された数百人が出場、種目別に勝敗を競った。平壌市青年同盟が主催した同大会は、旧正月に際して行われる全国大会の予選も兼ねている。毎年恒例の行事だが、今年は新たな種目も加わって盛り上がりを見せた。

 メディアを通じた普及活動も活発。労働新聞やテレビでは、民俗遊戯の歴史や由来、具体的な遊戯方法を扱った特集を組むなどしている。(李相英記者)

[朝鮮新報 2008.2.4]