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NYフィル幹部ら記者会見 「米朝親善に寄与する音楽を」

 平壌公演を直前に控えた26日午後、ニューヨーク・フィルの幹部らが羊角島ホテルで記者会見を開いた(写真、朝鮮中央通信=朝鮮通信)。

 同フィルの音楽監督で指揮者のロリン・マゼール氏は、朝鮮の人びととの出会いが実現した喜びについて語り、今回の公演は朝鮮と米国の関係改善に寄与するだろうとの期待を表明した。

 マゼール氏は、「音楽家といえばどの国の人であれ、人為的な全ての障壁を超えた互いの共通言語を持っている」と強調した。また、今回の公演を通じて「朝鮮の人びとが音楽をより楽しめるようになることを望んでいる。今後、オーケストラだけでなく歌劇団、ダンスグループなども訪朝し、より多くの分野で交流が進められることで、両国の関係が深まることを希望する」と述べた。

 同フィル関係者は、平壌公演に米国務省が深く関与したことについても言及した。ザーリン・メータ代表によると、昨年9月、6者会談米国側首席代表のクリストファー・ヒル国務次官補から「米朝国交正常化に向けた会談プロセスをさらに促進させるために、ニューヨーク・フィルが平壌で公演してもらいたいという提案」を受けたことを明らかにした。翌月に訪朝、朝鮮側も同様の意向を持っていることを確認したメータ代表は、「文化的な関係をまず発展させることが国交正常化に向けた望ましいプロセスになるのではないかという発想で今回の公演が実現した」と述べた。

 一方で、1959年のソ連公演とその後のソ連崩壊を結び付けながら、「同様の例がほかの場所で起きる可能性」を指摘する質問に対してマゼール氏は、朝鮮にソ連の実例をあてはめて語ろうとするのは間違っていると述べた。彼は「当時のソ連は大国で、米国の立場から見るとき、『世界に憎しみを与える国家』になっていた」と指摘する一方、朝鮮に対しては「地理的に見ると小さな国ではあるが大変立派な文化伝統を持つ国であり、人びとは音楽と文化を愛しながら暮らしている」と述べた。

[朝鮮新報 2008.2.29]