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くらしの周辺−「最強」は「伝説」へ

 空手チョップで活躍した「最強」の同胞レスラーと言えば誰でもわかるだろう。

 日本人ばかりでなく同胞たちも熱狂的な声援を送った力道山その人である。

 祖国と民族に対する熱い思いを抱きリングで闘い、生前には平壌とソウルで統一のためのイベントを企画していたという。それもまだ朝鮮半島の緊張が激化の一途をたどっていた60年代である。

 1、2世の同胞たちのヒーローが力道山だとすれば、3世の僕にとってのヒーローはアントニオ猪木氏であった。

 英雄レスラーの「最強」の遺伝子を引き継ぎ、師匠が果たせなかった夢を実現させた。

 1995年に平壌で20万人の平和のスポーツ祭典を開催してからは、朝鮮の平和と統一のための支援を惜しまず、情勢が良くなくても同胞のイベントにも気さくに顔を出してくれる。

 自身が主催する団体のイベントにはたくさんの朝大生たちを招待してくれた。一昨年、朝大創立50周年記念フェスティバルには来ひんとして元気いっぱいのスピーチで会場を盛り上げてくれた。

 「元気があればこれから100周年も迎えられる」「行く道険しけれども笑いながら歩もうぜ!」。師匠の果たせなかった夢を実現するため朝鮮と日本を行き来し、同胞社会を励ますその姿に僕は感動した。

 力道山の伝説の空手チョップは相手を倒し、1、2世に勇気を与えてくれた。猪木氏の「強さ」と「元気」も同じようにこれから3、4世に勇気を与えてくれるであろう。(宋修日・朝青朝大委員会指導員)

[朝鮮新報 2008.2.29]