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金剛山歌劇団東京公演を観て 青年劇場の俳優たちの感想

ダイナミックな踊りに圧倒

 東京で先月28日、行われた「金剛山歌劇団・朝鮮舞踊50年−朝鮮の名舞」を30人近くの青年劇場の俳優たちが観覧した。その中から感想を紹介する。

 演劇「族譜」に出演して朝鮮舞踊をおどっている八代名菜子さんは「本格的な朝鮮舞踊というものを観るのは今回が初めてでした。始まってすぐにダンサーの方々の息の合った正確で美しいダイナミックな踊りに圧倒され、朝鮮舞踊独特のリズムや動きに魅了されました」と前置きしながらこう語った。

 「感情があふれ出るような笑顔が絶えないのに驚いた。叫び出すような悲痛な表情を見せる踊りがあり(『チマチョゴリ』や『ハナ−ひとつ』など)朝鮮の方の深く傷つけられた歴史が、踊りのエネルギーと共に胸に突き刺さりました」

 八代さんは「族譜」の中で、「薜鎮永」の3人の孫の一人「承英」という男の子の役を演じている。

 「私たちが演じた3人の孫たちも残酷な歴史によって深く傷つけられます。

 今回観た『チマチョゴリ』や『ハナ−ひとつ』でダンサーさんが引き裂かれるような顔で踊っている姿を見て、その『歴史』は今でも続いているという事、それには日本が深く関わっているということを思い、『族譜』でその『痛み』を少しでもリアルに舞台の上で体験し、観ている人たちの胸に少しでも届けられたら…と思いました。そしてそれが日本人である私ができるせめてもの事なのかなあと、思いました。

 今回、すばらしい舞踊公演を見ることができてとてもうれしく思っています。『族譜』の中ではおそれおおくもチマ・チョゴリ(私はパヂ・チョゴリですが)を着て、トラジを歌いながら踊る場面もあるので、今回の公演を見て感じたことを生かしてがんばりたいと思います」

 また、こどもの役で出演している武智香織さんも「とても美しく、感動的でした。『族譜』でトラジ(桔梗)を踊っているので、勉強にもなり、本当に感謝しております!!

 舞踊もですが、チャンセナプという楽器の演奏もすばらしくて、胸が熱くなりました。朝鮮の伝統にふれ、歴史について、今現在のことについて、そして日本についてなどなど頭の中がぐるぐるしていますが、忘れずに考え続けていきたいと思います」と述べた。

[朝鮮新報 2008.3.10]