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福岡でポジャギ展示会 「伝統文化伝えたい」

1200人が来場

 コリアと日本をつなぐウリマダン「創作人形とポジャギ展示会」が3月20〜25日、福岡アジア美術館(博多リバレイン)で行われ、期間中1200人を越える人びとが来場し盛況を博した。福岡ではまだなじみの薄いポジャギだが、展示会をきっかけに同胞、日本市民らの中に広まりつつある。

「本物見てほしい」

多くの同胞、日本市民が会場を訪れた

 展示会には、日本各地のポジャギ教室で講師を務めている李玉禮さん(82)の創作人形と福岡県飯塚市のポジャギ教室「ウリマダン」講師の吉岡まりこさん(39)の作品をはじめとする色彩豊かな作品の数々が展示された。李玉禮さんは、「福岡ではまだポジャギ自体があまり知られていない。だからこそ本物を見てほしい」と話す。

 展示場では、来場客にスタッフらが作品やポジャギ文化そのものについてていねいに説明し、携帯電話のストラップを作れるポジャギ教室などのイベントも実施された。

 姉妹で訪れた金孝煖(58)、金順煖(60)さんは、「会場に入った瞬間、民族的な雰囲気に溢れていてなんだか懐かしく居心地がいい」と述べた。

 初日と最終日に会場を訪れた劉由美子さん(34)は、「人形のやさしい顔つきと布地の色あわせが魅力的。福岡ではこのような展示会はあまりないので今後も頻繁にしてほしい」と感想を語った。

 展示会実行委員会の李正任さん(55)は、「展示会を通じて同胞は自らの伝統を継承し、日本の人は隣国の文化に触れるきっかけになれば」と語った。

「娘と共通の趣味」

展示作品の一部

 今回の展示会を「縁の下」で支えたのは「ウリマダン」の生徒ら。「ウリマダン」は2006年9月に福岡県飯塚市に住む同胞女性らが立ち上げたポジャギ教室で現在、在日同胞と日本市民14人が通っている。メンバーのほとんどは初心者だ。

 金君子さん(48)は予想以上の盛況ぶりに「うれしい。これまでつらかったこともふっとんだ」と感想を述べた。

 ポジャギは、暮らしの中から生まれた朝鮮民族にとってもっとも身近な文化のひとつ。関東や関西などでは数年前から展示会やサークルなどが開催されているが、九州地方ではまだまだなじみが薄い。展示会期間中、福岡朝鮮初級学校の生徒が会場を訪れ体験教室に参加した。許幸恵さん(52)は、「子どもには民族性を培ってほしいと思いながらも私たち自身も民族文化に対してうとかった。朝鮮文化を自分の手で子どもたちに教えることでなんだか自信が持てた」と語った。

 金明華さん(37)は、「家で作業をしているのを見た11歳の娘も興味を持ったようで、一緒に制作している。共通の趣味ができた」と笑う。

 今回の展示会がきっかけで、4月から福岡市内にもサークルが発足する予定だ。「ウリマダン」メンバーらは、今回の展示会を機に福岡にポジャギ文化をもっと普及させていきたいと意気込んでいる。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2008.4.7]