年始の１月５日。祖国で論文指導を受けるため一人で平壌に降り立った。空港に着いてすぐ祖国の案内指導員から、「新年に初めて祖国を訪れた同胞」と言われた。年始だったので祖国に滞在する同胞も数人。いつもは同胞でにぎわう平壌ホテルもまばらだった。毎日、研究の合間に大同江の遊歩道を歩いた。何度訪れてもこの遊歩道からの景色は最高である。金日成広場、チュチェ思想塔、玉流橋…平壌の名所を独り占めしているような気分になる。遊歩道を歩いていて３つの発見があった。

　１つ目は、暗記をしながら勉強している人民たちの姿が多かった。２０１２年に向けた新たな闘争が始まった今年。職場の仲間同士、学生たち、ホテルの接待員、スポーツ選手たち、多くの人たちが新年共同社説の勉強にはげんでいた。

　２つ目は、男女のカップルの姿が多く見られた。若い人たちのデートコースにはここは最高の場所だと言う。冬でも天気が良い日は多くの青年たちがここでくつろいでいた。笑いが絶えない若者を見ているととても楽しそうで、仲間に入れてもらいたいぐらいだった（笑）。

　３つ目は、大同江がまだ凍っていなかった。これまで年末年始を何度か祖国で過ごし、大同江を歩いて渡る姿や、氷の上で遊んでいる子どもたちの姿を多く見かけたが、凍らない河は今回が初めてだった。温暖化の影響で平壌もここ数年暖冬が続いていると聞く。

　日本に戻り、相変わらずのウリナラに対するマスコミ報道に嫌気がしたが、２０１２年を目指す年始の祖国の姿は本当に活気に満ち溢れていた。「新年最初の祖国訪問者」として、しっかりとその姿を伝えておきたい。（宋修日・朝青朝大委員会指導員）

［朝鮮新報 2008.4.25］