東京・荒川「ヌビパラム」 パッチワークサークル18年展、オモニたちの「手作り」展示会 |
民族の香り、ポジャギで彩り
「パッチワークサークル18年展−ポジャギとの出会い−」(主催=女性同盟東京・荒川支部パッチワークサークル「ヌビパラム」)が7、8日の両日、東京都荒川区のムーブ町屋で催され、200人を超える同胞や日本市民らが会場を訪れた。今回で3回目となった展示会は、企画から裏方まですべてオモニたちの「手作り」で施された。 会場の入り口には、18人で手がけた合作が飾られていた。会場を見渡すと、ポジャギや人形、ポソンなど大きさも色もさまざまで鮮やかな150余点の作品が並んでいた。 初日には、ポジャギ講師の李玉禮さんが兵庫県尼崎市から足を運び、メンバーとともに座談会を開いた。李さんは、「東京のような大都市で民族の伝統が深められていくのは、とてもうれしいことだし、すばらしい作品が多かった。これは、小さな輪から始まり、18年間、みんなで力を合わせてがんばってきた成果だろう。これからも、家事や子育て、仕事に励みながら、伝統文化を守ってほしい」と話した。
今展の特徴は、作品の多くがポジャギだったこと。ポジャギは、朝鮮王朝時代から伝えられてきた。メンバーたちは、「大好きなポジャギで同胞はもちろん、日本の人にも民族文化のすばらしさを伝えたい」と口々に語っていた。 初めて展示会に訪れた木暮良江さん(69)は、「近くで見ると、一針一針、とても細かい。仕事をしながら、一生懸命に作られていると思うと感嘆する。縫い方も、彩りもすばらしい」と目を細めた。 ポジャギと出会い
18年前、@パッチワークの技術を上げるA東京朝鮮第1初中級学校のバザーに寄与するB若い同胞女性たち同士の交流を深めることを目的に結成されたサークル。当初は1年という期限つきだったが、みな夢中になり、徐々に人数も増えていった。 7年が過ぎ、オモニたちは、民族の独特なものを作りたいと思い始めた。最初は、チマ・チョゴリの色合いなどをまねて色で表現したが、しっくりこなかった。ちょうどその頃、李玉禮さんの人形展が東京で開かれ、講師の文英姫さん(60)が会場に足を運んだ。展に魅了された文さんは、李さんから直接ポジャギを習い、オモニたちに広めた。 民族特有の縫い方(裏と表が一緒の柄)、基礎さえしっかりしていれば、心のままに仕上げていける。オモニたちは、そんなポジャギの虜になっていった。
現在サークルには、20〜60代のオモニたちが参加している。月に2回行われ、ポジャギを始めてからは、葛飾や北支部、千葉の東葛支部からも参加するようになった。 学校分会の秦慶恵さん(65)は、7点を出品した。「夢中になれるものがあるって、大事だと思う。自分のペースでできるから続けられる。メンバーに年齢差はあるが、同じ目的を持っているから、一緒に楽しめる」と話す。 サークルに往復3時間をかけて通う東葛支部の洪栄子さん(54)は、2回目の展示会を見て憧れて始めた。「日本学校出身だから、オモニたちが話す朝鮮の歴史や現情勢についての話などはいつも勉強になる。家族も応援してくれるから、遠くても、忙しくても、がんばれる」とほほえむ。 葛飾支部の金明子さん(63)は、チマ・チョゴリやブランコに乗る少女など朝鮮女性をモチーフに作品を手がけた。「ポジャギは残りの布で自由に作品を作れるのがいい。また、先生も個性を生かして、よりよいものにしようと、指導してくれる。朝鮮の風景などもっと民族の香りを感じる作品を作っていきたい」と意気込んだ。 文英姫さんは、「サークルを楽しみながら、たまに展示会をやることによって、技術が上がり、刺激にもなり、責任感も出てくると思う」と語りながら、「日本に住む私たちが、朝鮮の文化を自然に受け継いでいくには、どうしたらいいのかを考えていきたい」と話した。 オモニたちは、女性同盟の活動にも積極的に参加し、バザーの時などは一役買っている。一つのことにみんなで取り組み、他を思いやる。そんな人間関係が深く根付いているからこそ、長く活動できると口をそろえた。(姜裕香記者) [朝鮮新報 2008.6.13] |