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福岡朝鮮歌舞団「響」公演 響き合う友好の音色

日本人と初共催、440人が観覧

 「出会い・感動・響き愛」をテーマにした福岡朝鮮歌舞団「ヒャン・響」公演が1日、福岡市博多区の大博多ホールで開催され、日本市民と在日同胞ら約440人が観覧。美しい歌声と優雅な舞、朝・日の伝統楽器の迫力ある共演に酔いしれた。

朝・日のコラボ演奏

公演終了後、実行委員、「志免飛龍太鼓」のメンバーと記念撮影する福岡朝鮮歌舞団の団員ら

 今回の公演は、昨年12月に福岡朝鮮歌舞団が主催した「サラン・愛」公演を観覧したある日本人が公演に大きな感銘を受け「歌舞団の後押しをしたい」と働きかけたことがきっかけで実現した。

 福岡歌舞団が日本人と共同で公演を主催するのは初めてのことで、まさに歴史的な公演となった。

 公演1部は、今回の公演に向けて制作した福岡歌舞団のオリジナル曲「愛のおくりもの」で幕を開け、舞踊「将棋の舞」、日本の和太鼓グループ「志免飛龍太鼓」の子どもたちの演奏「蒼天」、日本の童謡「赤とんぼ」と朝鮮民謡「アリラン」を調和させた歌「とんぼアリラン」などが披露された。

福岡朝鮮歌舞団の歌「トンボアリラン」

 2部は、今回のメイン演目、福岡歌舞団と「志免飛龍太鼓」の日朝合作演奏「ヒャン(響)〜響き合う魂の鼓動〜」で始まった。朝鮮の民族楽器と和太鼓の共演は割れんばかりの拍手に包まれた。

 また、福岡歌舞団の創作舞踊「リムジン河」、歌と踊り「統一の虹」、そして朝鮮舞踊の基本動作がデモンストレーションなどが披露され、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

「素晴らしいの一声」

 福岡市在住の石丸保さんは、「素晴らしいの一言につきる。『将棋の舞』は朝鮮の奥深い伝統の幅広さを感じた。合作演奏の迫力、複雑なリズムを叩きこなす姿に引き込まれた」と語った。「とんぼアリラン」を聞きながら一人客席で涙したともいう。

福岡朝鮮歌舞団の舞踊「チャンゴの舞」

 北九州市から来た李福実さんは「文化を越え響き合う人の心と心。今、失われつつある大切なことを教えてくれた貴重な時間だった」と語った。

 公演関係者たちも確かな手応えを実感し、さらに交流を広げていこうと新たに決意をしていた。

 福岡朝鮮歌舞団責任者の文香蘭さんは「舞台で響き合う音が観客みんなの心の中に響き、会場に一つの大きな輪となって広がった」と確信した。今回、共に主催してくれた藤井いつ子さんに大変感謝している。この公演をきっかけに、これからも朝鮮の芸術を通じて多くの日本市民と触れ合い、国境を越えた交流をしていきたい」と語った。

 公演実行委員長の藤井いつ子さんは、「歌舞団のすばらしさを多くの人たちに知ってほしい、ただその思いだけで始めた公演だが、とても好評でその反響の大きさに驚いている。彼女たちの確かな実力と高い芸術性が多くの人たちに認知されたことが何より嬉しい」と語った。

 そして「国を越え、言葉を越え、感動が私たちをいともたやすく一つにしてくれることを彼女たちが証明してくれた。これからも彼女たちの活躍を見守り、心からエールを送り続けたい」と公演を振り返っていた。【福岡支局】

[朝鮮新報 2008.6.16]