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くらしの周辺−ネット社会と同胞コミュニティ

 ネット社会のなんとめまぐるしいことだろう。インターネットはこの10年で政治・ビジネス・生活のあらゆる分野で活用され、携帯電話の進化でさらに拍車がかかっている。昨今では犯罪の引き金になる事も多く若者の絡んだ事件では「携帯・掲示板・メール」を頻繁に目にするようになった。さて、同胞社会では卒業生・地域・サークルなど多くのグループでメーリングリストや掲示板が有効に活用されている。おかげで普段集まれなかったり遠く離れていたりする人々も孤立せず同胞ネットワークのメリットを享受している。

 今から8年ほど前に地方の朝青本部の再建を手伝いに行ったことがある。20年間朝青専任がいなかった所に一人の新卒イルクンが配置された時だ。生まれ育った地元を離れ孤独との闘いの連続だったある日、パソコンが届き「これでメールができる!」と喜んだあの表情が忘れられない。早速メールをしようとするが彼も私もキーボードに不慣れで、一行足らずの文章を人差し指で一文字ずつおっかなびっくり入力したっけ(笑)…その後、彼は持ち前のエネルギッシュな行動力と忍耐、包容力とピカイチの笑顔で若い世代の輪を築いていった。後日、朝青本部は再建され数年後には土曜児童教室が開校し、近年は青商会が結成されるに至り、朝鮮学校のない地域であっても同胞社会の未来に希望の灯がついにともされるようになったのだ。さらに何と朝大と提携し、ネットを通じた児童教室の朝鮮語学習プログラムを近々スタートさせるのだという。

 ネットに関する話題を耳にするたびに私は彼と活動をともにした短かい日々を、人懐っこい笑顔に重ねて思い出す。(李舜哲、心理カウンセラー)

[朝鮮新報 2008.8.1]