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08年度版「アリラン」開幕、02年以来4回目 洗練された公演に感嘆の声

 【平壌発=鄭茂憲記者】大マスゲームと芸術公演「アリラン」が4日、綾羅島のメーデースタジアムで開幕した。

08年度版「アリラン」の一場面(4日)

 2002年の初演以来、05年、07年に続いて4回目の上演だ。会場には、建国60周年を記念し正面上段に「60」の文字盤がかかげられ、背景台の両サイドに国旗とともに「1948年」(左側)、「2008年」(右側)と描かれたディスプレイが設置されている。

 この日、メーデースタジアムには平壌市民と共に、在日同胞、外国人観光客などが観覧に訪れた。

 国際ロータリー愛知県代表団の一員として初めて訪朝した鈴木吉男団長(60)は、「とてもよかった。今までテレビ画面で公演場面を見たことがあったが、実際に観覧して出演者のアンサンブルに驚いた。代表団メンバー全員が感嘆している。背景台もすばらしい」と感想を述べた。上演は9月末まで。

 また、11日からはマスゲーム「繁栄あれ祖国よ」も上演される。

「創造」から「伝統」へ

 「アリラン」案舞室のリ・モンリョン室長(59)によると、08年度版「アリラン」は単なる「再演」ではなく、内容も一部修正され、「観客たちに常に新しい印象を与える」ものとしてリメイクされているという。11日から建国60周年を記念したマスゲーム「繁栄あれ祖国よ」が上演される。会場となるメーデースタジアムでの総合練習期間は1カ月と過去に例のない短さだが、出演者の声には公演成功に対する自信がみなぎっている。

 02年の初演は練習期間に1年を費やした。しかし4回目となる今回は、7月に総合練習が開始されるという異例の短期決戦となった。そのくらいの期間さえあれば完成させられるという自信があったからだ。

 今回の出演者の多くは、過去にも「アリラン」出演経験がある。国立民族芸術団の舞踊家、チョン・ヨンスクさん(42)は初演から毎回出演している。過去3回の公演では序幕で主役を務めた。今回はその役を若い人に譲ったという。伝統化にともない「アリラン」出演者の間で世代交代が進んでいることがうかがえる。彼女にとって、自らの出演もさることながら、他の出演者への指導も大きな役割だ。

 「準備期間は1カ月と短いが、過去の公演と比べても、すべての部分において水準は高い」という。その背景には、「芸術の大衆化」がある。

 今回、4回目の出演となる金日成総合大学職員のチョ・ウンシルさん(29)は、「若い世代の間では、今や芸術は遠くから見ているものではなく、生活の一部になっている。自分の周りを見渡しても、全般的な文化水準が高まっている」と話す。出演が決まったのは6月を過ぎてからだったが、不安はなかったという。「これまでの経験があるから。初参加の人たちも、経験者と一緒に練習しているので、上達は早い」。

出会いの場

 学生たちにとって「アリラン」出演は、新しい友だちを得る機会にもなっている。

 上信中学校(平壌市西城区域)に通うソン・ウンハさん(16)と、セマウル中学校(平川区域)に通うハ・ククソンさん(16)は昨年の公演にも出演している。

 ハさんは、「普段、学校生活の中ではあまり話したことがなかった友達や後輩たちとも仲良くなれる。昨年も出演したので、周りで動作の習得に苦労している人がいたら教えてあげている」と話す。その過程で、他校の友だちもたくさん増えたという。

 また今年は、マスゲーム「繁栄あれ祖国よ」も同時上演され、多くの学生たちが両方の作品に出演する。

 「『アリラン』を経験しているので、『繁栄あれ祖国よ』も早い段階でマスターすることができた」とソンさん。「建国60周年を記念して行われるマスゲームは、周囲の関心も高い。総合練習が始まってからは、家の中でもその話題でもちきり」だと話した。

[朝鮮新報 2008.8.6]