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夕焼け −趙泰一−

 あの夕焼けをごらんよ
 あの夕焼けをごらんよ

 人はみんな
 日暮れに夕焼けを一つずつ
 頭にのせて こっちの路地あっちの路地を
 ウロウロする

 冷たい風のなかで萩の木も
 夕焼けを一幅ずつ頭にのせて
 ゆれている

 あの夕焼けをごらんよ
 あの夕焼けをごらんよ

 誰が西の空に火を灯したのか
 そんなにもこの世が懐かしくて
 あの世に行って火を点けたのか

 これごらんよ
 これごらんよ

 私の胸の西の方にも
 火が灯ったよ

「申庚林の詩人を尋ねて」
(1998年 ウリ教育)

 チョ・テイル(1941−1999)

 全羅北道谷城郡にある泰安寺の住職の子として生まれる。慶熙大学国文科・同大学院卒。64年京郷新聞の新春文芸に当選し登壇。70年代、「維新」独裁体制に反対し何度も投獄され、「国土」などの詩集は販売禁止に。自由実践文人協議会会員、民族文学作家会議常任理事、光州大学芸術大学長。95年「萬海文學賞」受賞。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.9.22]