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〈第11回平壌国際映画祭〉 「ナチス告発」作品、連続上映

過去清算、日本の姿勢と対比

 平壌国際映画祭期間中、第2次世界大戦時のナチス・ドイツによる貨幣偽造計画の内幕を描いた「貨幣偽造者」はとくに注目を集めた。

 作品は、ナチス・ドイツが英国経済を混乱させるために実行した贋札製造計画「ベルンハルト作戦」を、贋造を強制させられたユダヤ系技術者の視点から描いた。

 朝鮮の観客たちは、米国による「北朝鮮貨幣偽造説」の虚構を、欧州をはじめ各国のメディアが明らかにした現実と照らし合わせながら映画を鑑賞したという。

 また今回、ポーランドのアウシュビッツ収容所跡を訪れたドイツ人青年と、元囚人で生還者の老人との交流を描いた映画「観光客といっしょに」も出品された。

 これまでの祭典にも第2次世界大戦時、ナチス・ドイツが青少年を戦争に動員するために作った幹部養成施設を舞台にした「ナポラ学校」(日本公開時「エリート養成機関−ナポラ」)が第10回祭典で最優秀賞を受賞するなど、その犯罪を暴く作品が数多く出品されてきた。

 祭典審査委員のリ・ヤンイル平壌演劇映画大学副学長は、「第2次世界大戦期のナチス・ドイツと帝国主義国の戦争犯罪を暴いた作品は、平壌映画祭の理念に則している」と話す。

 そして、こうした作品は、日本の過去清算の回避、歴史わい曲行為の不当性をドイツと対比することによって浮き彫りにする効果もあると指摘した。

[朝鮮新報 2008.10.1]