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東京朝鮮歌舞団スペシャルディナーショー 同胞社会つなぐ潤滑油

「未来へのハーモニー」

 東京朝鮮歌舞団によるスペシャルディナーショー「未来へのハーモニー」(主催=東京朝鮮歌舞団、金赫淳団長)が9月24日、東京都台東区の浅草ビューホテル・飛翔の間で開かれた。総連中央の梁守政副議長、総連東京都本部の朴昌吉委員長、文芸同中央の金正守委員長をはじめ、同胞や日本市民ら300余人が公演を観覧した。

多彩な舞台

全員が出演したフィナーレ「イジェン・カヤジ」

 ショーに先立ち、参席者らは豪華な料理に舌鼓を打ちながら、ディナータイムを1時間ほど楽しんだ。

 続いて待ちに待ったショータイム。オープニングは全団員によるアカペラ「舟歌」で幕を上げ、「セタリョン」(徐明生)や「旅人の悲しみ」(金赫淳)、「ミュージカルソングナンバーメドレー」「Time to Say Goodbye」(劉礼順)、「上を向いて歩こう」「チャンゴカラク」などが披露された。

 また、コーラスグループ「サークル・アエ」が友情出演し、「リムジン河」「僕らの学校」などを熱唱した。

 ショーの合間、金黄英初代団長が紹介された。「今から43年前、東京・御徒町の4畳半から始まった当時。歌も踊りも習ったことはなかったけれど、異国で生き抜く同胞に勇気と希望を与えようと一生懸命だった。…今もその思いを受け継いでいる歌舞団の発展と飛躍を期待する」。

4重唱「上を向いて歩こう」

 また、東京歌舞団の歴史と現団員の活動、思いなどを収めたVTR「過去〜現在〜未来 同胞たちと歩んできた軌跡」が上映された。観客らは演目が終わるたびに惜しみない拍手を送った。中には踊り出す人、涙を流す人もいた。

 長野から娘の応援に駆けつけた蒋和秀さん(48)は、「初代団長の話が心にしみた。歌舞団は多難の時期に同胞を心から楽しませようと発足した。その心が今も受け継がれている。また、その中で娘が活躍していることに喜びを感じる。これからも、同胞たちに朝鮮人として生きていくことの誇らしさを与えてほしい」と語った。

 金文美さん(28、台東区居住)は「あっという間だった。とくにチャンゴが良かったし、アレンジや衣装も斬新で新世代の歌舞団という感じですばらしかった。歌舞団に憧れて朝鮮の歌を歌いたいという子たちが増えてくれれば」と感想を述べた。

同胞たちの温かさ

「涙に濡れた豆満江」を歌いながら会場を回る金赫淳団長

 もっと多くの同胞たちや日本の市民らとの新たな出会いを求めて、日頃は披露しないような曲にチャレンジしようと企画されたディナーショー。

 今年1月から準備を始め、3カ月前からは休日を返上して練習に明け暮れたという。準備期間にも、地域の新年会や花見、夜会、サークル、デイサービスなど地域の同胞たちに密着した、さまざまな場で活動を行ってきた。

 動員活動も団員自ら宣伝をし、駆け回った。それでも、チケットの売れ行きはあまり伸びなかった。そんな時、「1世オモニたちが力を貸してくれた。とくに中杉、台東支部のオモニたちは、歌舞団のためならと、一緒にチケットを売りさばいてくれた」(金団長)。

 今年4月から新たに3人の顔ぶれが加わった。彼らは半年間の活動を振り返り、「どの舞台でも同胞たちは歓迎してくれる。そのたびに、がんばろうという思いが強まる」と笑みを浮かべた。

 金団長は「歌舞団は同胞社会の潤滑油、接着剤のような存在だと思っている。今後も皆が楽しみ、人と人の心を一つにできる、そんな公演を行っていきたい」と話した。(文=姜裕香、写真=盧琴順記者)

[朝鮮新報 2008.10.3]