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〈本の紹介〉 竹島=独島問題入門 日本外務省「竹島」批判

「日本の主張はご都合主義」

 著者は日本における独島問題専門家として知られ、多くの著書を持つ。著者が今回悲憤慷慨したのは、外務省が制作した「竹島」パンフレットである。

 「過去の歴史と真正面から向き合おうとせず、歴史の一部をご都合主義でつまみ食いをして、その一方で、自分の主張と相容れない事実は無視して顧みないという内容である」と厳しく批判する。独島を日本領土だとして、いまや日本外務省が繰り広げている大宣伝は、「日本国民を惑わす」ものであり、「黙って見過ごすわけにはゆかないのである」と決心してペンを執ったもの。

 とりわけ著者が問題にするのは以下の論点である。@幕府が現竹島の存在を知ったのは、1696年1月の鳥取藩とのやり取りのなかである。それ以前の時期になる17世紀半ばに現竹島の領有権を確立したなどとは言えるはずはないA幕府としても鳥取藩の立場を確認して、日本領でないとの結論を出して、1696年1月に竹島渡海を禁止したことなど…。

 この外にも多方面から竹島領有権主張の欺瞞性を明快に記しながら、「外務省の主張は、史実とかけ離れたところで勝手な議論をしている」と断じる。(内藤正中著、800円+税、新幹社、TEL 03・5689・4070)(公)

[朝鮮新報 2008.10.14]