オランダ・ハーグ 日本の過去清算求める国際集会に参加して |
「侵略正当化」する日本に強い非難 このほどオランダのハーグで開かれた「日本の過去の清算を求める国際連帯協議会第5回国際集会」に、日朝友好連帯の会として下関から2人が参加した。集会名には、副題として「1907年ハーグ条約101年記念国際シンポジウム−1907年ハーグ条約の過去と現在を考える」とあった。同集会には、オランダ、ドイツ、英国、カナダ、米国、日本、朝鮮など各国、各地域の多くの代表が一堂に会した。私たちは、下関の教育長発言問題を持って参加したが、会議のテーマは、日本帝国主義が犯した許しがたい蛮行に対し、未だに謝罪も補償もしない日本政府への告発である。
朝鮮・日本軍「慰安婦」及び太平洋戦争被害者補償対策委員会、アジアの平和と歴史教育連帯、韓国挺身隊対策協議会、台北婦女救援社会福利事業基金会、日本軍「慰安婦」・徴用正義回復委員会、「慰安婦」問題解決オール連帯、オランダ対日道義補償請求財団、李儁烈士記念館館長など、集会参加者の肩書きからもわかるように、すべての参加者が帝国日本の侵略戦争による残虐行為、とくに性奴隷犯罪に対し、怒りを持って、日本政府の一日も早い謝罪、補償を主張している。 とくに、第5回の今年は、101年前の万国平和会議でハーグ条約が結ばれた地での開催であり、日本も調印している条約について分析、討論が重ねられ講和条約の問題も論じられた。 101年前の平和会議に、大韓帝国国王が外交権保護を訴えるため密使を送った。日本はその李儁密使を会議から排除するよう画策した。私たち集会参加者は、ハーグにある「李儁平和記念館」を訪れ、日本帝国主義による怒りをさらに強くした。 重要な問題は、日本政府が以来今に至るまでいくつもの国際法違反を続け、度重なる国連の勧告や諸外国の国会決議をも無視して、被害者に対する国家補償を否定し続けていることだ。きちんとした謝罪の意思を示していない。集会の進行上、下関の代表は質問という形でしか討論に参加できないことがわかった。
下関の嶋倉剛教育長は6月、山口朝鮮学園の代表らが補助金増額の要望に訪れた際、「植民地支配は事実に反する」との妄言を吐き、翌日には記者らの前で「併合は対等に行われた」などと繰り返した。 さらに教育長に反省を促す立場にあるはずの江島潔市長は「われわれは子どもの頃にあの時代が植民地化という教育を受けていない世代」と開き直った。ともに日朝平壌宣言の認識が不足していたと口では言っても、彼らの歴史認識が変わった訳ではなく、日本のゆがんだ歴史教育の産物が明白になっただけのこと。 良心的な先輩たちの粘り強い結果、わずかながら日本帝国主義の犯罪が教科書に記述されるようになったにも関わらず、反動勢力はそれさえも消し去ろうとしている。 オランダの教育はいかに?−と何とか質問の形で締めくくった。 いずれにしても、日本政府の姿勢を変えるには、日本人の覚醒しかないとの指摘はあまりにも当然だ。下関の市長、教育長の傲慢さは、数十年にわたり国際的批判を無視し続ける日本政府とうり二つである。 集会では「日本政府は、いつまでも否定し続けることはできないだろう」「日本の若者に、この問題が伝わるように」などの声もあがった。下関の教育長発言を通して日本政府の犯罪性を告発しつづけなければと、課題の大きさをかみしめて帰ってきたところである。(中室みち、日朝友好連帯の会) [朝鮮新報 2008.11.10] |