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〈本の紹介〉 この子らに民族の心を

大阪・民族学級の奮闘記

 30年以上にわたって、大阪の学校教育に携わり、民族学級の取り組みをはじめ特色ある教育実践を支援してきた朴正恵さんの著書。本書は、著者の現役引退を契機に、同氏の生い立ちをはじめ関わった子ども、親の思い出など、民族学級が学校文化にどのような効果をもたらしたのか、幅広い観点から綴られている。

 大阪市や豊中市、東大阪市などの地域で民族学級が始まっていった1970、80年代の草創期の様子などが記されており、歴史的な背景を知る本としても貴重である。

 多民族・多文化化が進む一方、多民族・多文化社会を念頭に置いた法整備はまったく手付かずの状態だ。マイリノティーが自らの民族的アイデンティティを豊かにはぐくめる社会こそ、国際化された社会の試金石ではないだろうか。(朴正恵著、新幹社、2000円+税) (公)

[朝鮮新報 2008.12.1]