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「同胞のためにサッカーしたい」 鄭大世選手

 朝鮮代表として東アジア選手権に出場し2得点をあげた鄭大世選手はとくに日本代表との対戦について、「夢だった。グラウンドに立ち、感極まった」と回想する。戦術面での課題をあげながらも、「W杯予選には選手間のコミュニケーション、連携をいま一度確認して臨みたい。代表では今後もステップアップしたい。現状には満足していない」と総括した。

 各地の朝鮮学校生徒から、朝鮮代表として活躍する鄭選手に手紙が寄せられているという。鄭選手は、「幼い頃、朝鮮代表だった金光浩、金鍾成選手と言えば朝鮮学校に通う生徒らの憧れの的だった。自分もそのような選手になれているのだろうか」と話した。

 一方、各朝鮮学校でプロサッカー選手を志す後輩らには「一生懸命継続することを心がけて夢を具体化し、誰よりもボールに触れてもらいたい。また各朝高選手らにはぜひ朝大サッカー部でやりがいを感じながらプロを目指してもらいたい。結果を残すことで同胞の耳にはしっかりと伝わるから」とエールを送る。

 プロサッカー選手を志す朝鮮学校の生徒だけではなく、民族教育を受け育つことで、こうなれるというモデルを示していきたいと強調する鄭選手。「自分のためにがんばれば、同胞をはじめとするたくさんの人たちが喜んでくれる。今後も自分は同胞のためにサッカーをしたい」。

 鄭選手にとって、体系的な16年間の民族教育は、「朝鮮人であることを確信した貴重な体験」だったという。この体験は、自身のアイデンティティー確立と、常に上を目指す根性につながったという。

 「自分はサッカーという舞台に立っているだけ。世の中にはいろんな分野がある。どんなことでもいいから、自分の描く夢を実現してもらいたい。その延長線上に活躍の舞台が必ずあるから」。鄭選手が全国の朝鮮学校生徒に向け送るメッセージだ。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.3.12]