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コーチとして参加した金光浩・在日本朝鮮人蹴球協会副会長に聞く

潜在力秘めレベルアップの余地あり

 中国・上海の試合会場は、ホーム開催であるにもかかわらず、朝鮮チームがボールを持つとブーイングが浴びせられるなど、雰囲気は「アウェー」であった。しかし、試合が終了すると在中同胞をはじめ応援席では温かい拍手が行き交い、それは素晴らしい場面でもあった。

 実力で勝る南朝鮮は、海外組も含むベストメンバーで臨んできた。前半、朝鮮は臨機応変に対処し様子を見た。ボール支配率で言えば互角。しかし後半、南朝鮮はシステムを変えてきた。朝鮮はチャンスをうかがいながら攻撃したが、終盤に押された。

 試合では終始、しっかりとした防御から攻撃に移行する基本姿勢を貫いた。東アジア選手権での教訓を生かしたこの戦術が、うまく機能したと言える。また、GKのリ・ミョングク選手をはじめDF陣がしっかりと守った。

 攻撃においてはホン・ヨンジョ、キム・ヨンジュン、ムン・イングク選手が中盤から攻め上がり鄭大世選手をサポートした。いろいろなパターンがまたこのチームに生まれ始めた。

 朝鮮はまだまだ潜在力を秘めており、レベルアップの余地がある。主力の4選手(ホン・ヨンジョ、キム・ヨンジュン、安英学、鄭大世)がチームに早めに合流していれば、互いの連携はより高まっていたかもしれない。

 一方、5−4−1のフォーメーションから4−3−3、さらに3−4−3へとスムーズに移行する戦術が、すこしずつ形になっている。中盤からFWへとつなぎバイタルエリアまで持ち込む認識が高まり、選手らに余裕も生まれてきた。

 試合には在日2選手も出場した。鄭大世選手は自らボールを追いかけて守備にも意欲的に参加し、相手側のマークが厳しくなったおかげで、ホン・ヨンジョ選手がボールに絡む場面が増えた。安英学選手は目立たないがとても良いプレーをしていた。防御、攻撃の中継役として豊富な経験を生かした老練なプレーがチームのプラス材料となっている。

 朝鮮はホン・ヨンジョ選手が加わり東アジア選手権に比べレベルアップしている。防御の割合を減らし攻撃への意識をさらに高め、勝ち点にこだわって次戦(対トルクメニスタン、アウェー)に臨みたい。(整理=李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.4.2]