東京朝・日スポーツフェスティバル 楽しむことが上達への近道 |
6日、東京朝鮮中高級学校で開催された東京朝・日スポーツフェスティバル。サッカー、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、卓球、ボクシング、柔道、朝鮮相撲、囲碁、新体操など、さまざまな競技で交流と体験教室が行われた。 ボクシング教室では、WBC世界スーパーフライ級16代、18代チャンピオンの洪昌守さんが自らミットを持って指導にあたり、つめかけた同胞、生徒たちを喜ばせた。 初め、子どもたちのパンチはミットにまともに当たらなかったが、世界チャンピオンの掛け声とともにメキメキ上達し、威力を増した。 この日、洪さんが一番高く評価した強烈なパンチを繰り出したのは、東京中高中級部3年の林愛美さん。所属はバレーボール部の林さんだが、この日は世界チャンピオンのミットめがけて強烈なワン・ツーパンチを浴びせた。弾けるようなミット打ちの音に周囲の人たちも驚きの声を上げた。 「超気持ちいい!」と汗を拭う林さん。高級部進学後はボクシング部に入部する予定だという。
学校対抗で行われた朝鮮相撲では初級部、中級部ともに西東京第1初中が優勝した。なかでも初級部5年の白升浩さんの活躍に観客が沸いた。 小さい体で大きな相手に立ち向かい、持ち前の根性で相手をねじ伏せた。 「芯が強い」「足が速い」とは友人たちの評価。白さん自身は「初めはまったく自信がなかった」と照れくさそうに語った。だが優勝を決める一番では、スピードを活かして見事相手を倒した。「実際にやってみたら力が出せた。優勝できてうれしい」と喜びを語った。 フェスティバルではラグビー、バレーボール、バスケットボール、卓球などで社会人チームの朝・日交流戦も行われた。 6月に行われた第23回在日本朝鮮人闘球選手権大会で優勝した高麗クラブは、熱い闘志で観客を沸かせた。4月に結成された在日本朝鮮人芸術体操協会もこの日、教室を開き新体操の魅力を伝えた。
大学の先輩の薦めでフェスティバルに参加し、子どもたちにバレーボールの指導をした元日本代表の田中直樹さんは「小さい子もみんな上手になろうと一生懸命だった。楽しくできたことが一番」と語った。 「バスケとお酒のつながり」から、在日同胞のバスケ愛好家と親しくしているという北條貴裕さん(東京日産ヘッドコーチ)は、「恩返しになれば」とこの日、講師の要請を快諾。「スポーツは楽しむことが一番上達につながる。今日も子どもたちが楽しめる練習メニューを考えてきた。みんな素直かつ元気だった」と語った。 この日、会場にはフェスティバル開催の広告を見て大阪や京都からかけつけた同胞もいた。「地元でもこうしたイベントが開ければ」と熱心に会場を歩き回っていた。(泰) [朝鮮新報 2008.7.14] |