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〈北京オリンピック〉 アン・グメ選手 「柔道は私のすべて」

 【北京発=李東浩記者】「金メダルを取るのを目標にしていたが思い通りにいかなかった」

中国選手との決勝戦

 アン・グメ選手(28)は世界2位という成績にもまったく満足していない。金メダル以外は、受け付けないといった頑固さを感じさせる。

 柔道女子52キロ級決勝戦、メダル有力候補として注目されたアン・グメ選手の勇姿があった。会場は、04年アテネ・オリンピック金メダリストで優勝候補の中国・冼東妹選手を応援する中国人観客の大声援に包まれた。そんな「完全アウェー」のなかで金メダルを争った。

 得意のすくい投げを武器に勝ち上がったアン選手は、カザフスタンの選手との準々決勝で2回の技ありを奪うなど高い技術と精神力を披露した。決勝戦では効果を一つ得たが、選手に有効、効果を一つずつ許し終了間際に逆転され惜敗した。それでも常に積極的に攻め、優勝候補を最後まで追いつめたことを専門家は高く評価した。

アン選手の銀メダル獲得に、在日同胞たちも喜んでいた。そのなかには、05年12月から今日まで物心両面で誠心誠意、後援した同胞もいた。アン選手のコーチも感謝の言葉を惜しまなかった。

アン・グメ選手

 一方、アン選手は選手村に掲げられた朝青の横断幕を見ながら「総聯の同胞たちの応援が大きな力となった」と笑顔で語った。

 11歳から柔道を始めたアン選手。「柔道は私のすべて。一番好き。柔道から離れることは想像もできない」と語る。柔道への特別な思いを抱く彼女にとって、メダルの色は金でなければならないようだ。

 決勝戦が終わり、朝鮮の柔道関係者は「アン選手は今大会をもって選手生活を終えるので、最後に金メダルをと願ってきた。銀ではだめだった」と力なく語った。

 しかし、当の本人は楽観的にこう語った。

 「自分の実力を見極めて、やれるようならまた試合に出たい。そして金メダルを取って総書記と祖国の人民を喜ばせ、海外の同胞たちに力を与えたい。そのためにがんばってみようと思う。東妹選手が強いと言われていたが、実際にたたかってみたら勝てない相手ではないと思った。次に他の大会に出たら必ず優勝したい」

 いつも明るくインタビュー中でも冗談を口にするアン選手。はきはきとした話し方、自信に満ちた表情がオリンピックメダリストとしての彼女の魅力をいっそう引き立てていた。

[朝鮮新報 2008.8.27]