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WRC第14戦「ラリージャパン」 埼玉の同胞ドライバーが出場

SS25でトップ、総合41位

金さんが乗車した「N4」クラスのマシン

 2008年世界ラリー選手権(WRC)第14戦「ラリージャパン」が10月30日から11月2日にかけて、北海道札幌市の札幌ドーム内などで行われた。同大会に、埼玉県に住む在日同胞ドライバー・金雅志さん(48歳、草加分会副分会長)が出場した。

 金さんは初日、2日目はマシントラブルで走行を途中で断念。しかし、最終日には全コースを走りきり、総合41位となった。

 今回、金さんは、「N4」クラスのマシンで参戦し、SS25でトップとなった。「N4」クラスのマシンがSSでトップを取ったのは、WRC史上金さんが初めてだという。

 幼い頃から車が好きだったという金さんは、東京朝鮮中高級学校卒業後、自動車修理工場に勤めるかたわら、JAF(日本自動車連盟)加盟のラリークラブ「ホットミルク」に加入、19歳から年に一度のペースでシリーズに参戦するようになった。そして、1988年の東京シリーズでは3位、90年の関東シリーズでは2位、94年のJAF地方ラリー選手権ではシリーズ2位、95年には「全日本ラリー選手権シリーズ第2部門 Bクラス」のチャンピオンとなった。

レースに臨む金雅志さん

 その後は、現在の会社「ラリーテックワークス」(埼玉県川口市)を軌道に乗せるため、シリーズ参戦を中断、現在は年に一度のペースで出場している。

 金さんは、「初日、2日目は故障で走れなくなったけど、記録を残せてよかった」と語る。

 また、「これまで30年近くラリーに携わってきたけれど、在日同胞に出会ったことは1回か2回しかない。

 もし、興味がある人がいれば、可能な限り教えたい」と、広く呼びかけている。

 同大会には来年も出場する予定を立てており、スポンサーを募っている。(尹蒼賢記者)

 【注】ラリーは、市販車をベースに改造した競技用車両を使い、一般道を使って行われる競技で、リエゾン(移動区間)以外のSS(スペシャルステージ)の走行タイムの合計で順位が決まる。また、再出走システムというものがあり、マシントラブルなどで走行ができなくなっても、車体審査時までに修理ができればリタイアにならず、次の日の競技に参加することができる。WRCは、FIA(国際自動車連盟)が統括する世界選手権の1つ(他にはF1、世界ツーリングカー選手権などがある)で、世界15カ国で15戦、11カ月にかけて行われる。

[朝鮮新報 2008.11.26]