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朝大ラグビー部 創部40周年記念式典 恩師の教えを継承しよう

「国、友を愛し良いチームを」

 1968年に結成された朝鮮大学校ラグビー部。1988年に東京都学生クラブ選手権で優勝し99、00年には関東学生クラブ選手権で2連覇を達成。01年には、創部33年目にして関東大学連盟加盟を果たし、現在は3部リーグに参加している。部の足跡を振り返るとともに、よりいっそうの飛躍、発展を図ろうと創部40周年記念事業実行委員会主催の記念式典が11月23日、同大で催され、全国各地からOB、OG(マネージャー)、日本のラグビー関係者ら120余人がかけつけた。

選手ら決意新たに

朝大・全源治名誉監督は、ラグビーを通じた教育に熱を注いできた

 式典では朴昌連・実行委員会委員長(50、朝大ラグビー部OB会会長)のあいさつに続き、朝大・朴点石副学長と小平ラグビー協会・廣田益一会長が祝辞を述べた。また、在日本朝鮮人闘球協会・金武正会長の音頭で祝杯をあげた。

 会場に設置されたスクリーンに朝大ラグビー部の40年の歴史を振り返る写真が映し出され、参加者らの涙と笑いを誘っていた。

 この日、参加者全員に同部卒業生500余人の名前と年代別の写真、沿革などが掲載された40周年記念誌が配られ会場は終始、なごやかな雰囲気に包まれた。

 明治学院東村山高校ラグビー部の元監督、辰野永さんは創部40周年に際し、朝大ラグビー部に試合用ユニフォームを寄贈した。2006年に続き2度目のことだ。自身がラグビーを教わった恩師と朝大・全源治名誉監督(74、在日本朝鮮人闘球協会名誉会長)が親友だという。「みなさんと知り合えてほんとうに良かった。今後もがんばりましょう」とエールを送った。

 一方、関東リーグ最終戦を終え式典に参加した朝大の選手らは、新たな決意を胸に刻んでいた。李元太選手(経営学部3年、兼マネージャー)は「今後、かならず関東2部に昇格し実績を積み上げて、後輩たちに1部昇格を託したい」と話していた。

スポーツ通じた教育

恩師を囲んで記念撮影するOBと現役選手ら

 朴昌連委員長は式典開催の経緯について、東京教育大学(現筑波大学)を卒業し、九州朝高、朝大で教鞭をとった全源治名誉監督の功績を称えたかったと語った。「全先生と出会わなければ、今頃なにをしていただろうかと考えるとぞっとする」と述べ、「ラグビーを通じて在日朝鮮人としての自負心をもつことができた。全先生の、スポーツを通した教育を後代に引き継いでいきたい」と決意を新たにしていた。

 金鉉翼さん(59)は、全さんが朝大に赴任した年の入学生だ。卒業後、72年から77年まで大阪朝高でラグビーを教えた。「在日ラグビーの今があるのは全先生のおかげ。全先生から教わったことをそのまま教えてきた」と胸を張る。

 金さんを含め、全さんの指導を受けた7人の同窓生が各地朝高で教員となり、それぞれラグビー部を創部した。3年後には、朝高ラグビー部の中央大会を開催し、各地に闘球団が結成されていった。

 ボールを持ったら前に進め、相手が来たらタックルしろ−。朝大ラグビー部が創部された1968年、全源治名誉監督は学生にこう教え込んだ。

 57年間、ラグビーとともに歩んできた全さん。「先輩の伝統を受け継ぎがんばっている現役選手たちには、国を愛し、友を愛し、良いチームを作ってもらいたい。今は関東3部だが、全国の朝高生が加わってくればもっともっと強くなるだろう。卒業生たちには厳しい時代だが、自分の道を思い切り歩んでもらいたい」と語っていた。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.12.10]