top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 第3段階に向けた6者会談の協議が大詰めを迎えている。「結局は先軍政治、朝鮮側の押し切りになるのではないか」というのが、この問題を担当している記者たちの見方である

▼「米国は、核政策において二重基準、いや三重基準を取ってきた。かつて、反米一色だった中東のアラブ諸国を牽制するためにイスラエルの核開発を支援した。公然の秘密だ。パキスタンの開発も、旧ソ連とインドとの同盟関係を牽制し、世界戦略の足場を築くために黙認した。つまるところ、国益最優先。今回、米朝が合意に至れば6者という枠組みを米朝2者に変えればいいのではないか」とブッシュ政権の対応に不満を漏らす研究者もいる

▼朝鮮にしてみれば、米国の一貫した敵視、軍事的脅威から国を守るための措置を講じてきたに過ぎない。繰り返して表明しているように、核など必要はなかったが、対話を拒否し核先制攻撃を柱にした米国の軍事的脅威に対抗するためには核武装するしかなかった。言い換えれば、朝鮮を核武装に向かわせたのはブッシュ政権の外交的失策である

▼そのブッシュ政権に翻弄される日本、これまた外交的無策である。非人道、敵視の最たる表現であり無策の集大成である対朝鮮「制裁」。この21世紀、電子メールで情報が行き交う時代に人、物の往来を人的に止めているのだから

▼この間、在日朝鮮人が「制裁」によって負った傷は深い。解除されたところで癒える事はない。そうした事にもこの国は気づいていない。傲慢、驕り、無知蒙昧、早く人間というものを取り戻すべきだ。(彦)

[朝鮮新報 2008.4.9]