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春・夏・秋・冬

 今週、ソン・キム朝鮮部長を団長とする米国務省代表団が訪朝するという。米朝シンガポール暫定合意の正式合意に向けた動きだ。ブッシュ大統領はすでに、その暫定合意を承認したと伝えられている。ライス国務長官も「テロ支援国家」指定などの解除を示唆した。一方、中国外交部は定例会見で、シンガポール暫定合意などを受けて「6者会談首席代表会合開催の機は日に日に熟している」と明らかにした(10日)

▼こうした現実に慌てているのが米国内の保守派だ。一人、二人と表舞台から消え去ったなか、今なお「吼え続ける」ボルトン元国連大使は、シンガポール暫定合意を「ブッシュ大統領の対北降伏文書」だと攻撃し、暫定合意は「北朝鮮への信頼だけで成り立っているもので(申告に対する)検証がない」と、拒否するよう主張している

▼3度目の独自「制裁」を延長した日本当局の心中も、ボルトンと同様だろう。本末転倒というか、拉致対策本部の会合後、中山首相補佐官は「日本との直接交渉は北朝鮮にとっても利益になる」と記者団に語ったというが、「制裁」を延長しておいて話し合いの場に出て来いとは、どういう神経をしているのだろうかと思う。まったく尋常ではない

▼こんな感覚だから、訪中した自公幹事長たちは拉致問題に言及しながら、逆に中国側から「日本側の努力も重要だ」と指摘される始末だ。さらには「6カ国協議を行っているから非核化も重要だ」と追い討ちまでかけられた

▼拉致問題に縛られ、それを自分で解くこともできない。朝米頼みなのだろう。(哲)

[朝鮮新報 2008.4.21]