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春・夏・秋・冬

 朝米関係が急速に進展しつつある中、日本のメディアは「拉致」を前面に押し出して「北朝鮮バッシング」を始めた。そこからは拉致問題の解決など眼中になく、「北朝鮮憎し」という感情しか見えてこない

▼日本各地で行われている拉致関連のニュースを大々的に報じる一方で、朝鮮半島の軍事境界線付近で「特定失踪者問題調査会」と南の団体が朝鮮側に拉致に関する情報提供を訴える風船を飛ばしたニュースも報じている。そもそも、軍事的緊張の続く軍事境界線付近で風船を飛ばすということ自体、常軌を逸しているとしか言いようがないのだが、そうした感覚はないようだ

▼読売新聞の「スクープ報道」に続いて、今度は毎日新聞が拉致被害者の「新証言」を伝えた。「北朝鮮の説明と矛盾する」と大々的に報じた。これについて町村官房長官は26日、「本人に確認したが『まったく承知していない。証言は行っていない』と明確に否定した」と指摘。「相当な意図を持って記事がつくられたとしか思えない」と語った。27日から北京で行われている6者会談の朝米首席代表の接触に先立っても、同紙は朝鮮が「拉致被害者数人を帰国させる用意があると米国に伝えている」などと報じ、日本当局は否定に走った

▼朝米接触について、日本のメディアは拉致問題についても話し合われるなどと報じているが、朝鮮はもちろん、「テロ支援国家」の指定解除と拉致問題を結びつけないという立場の米国に、その必要はない。「問題の解決」を声高に叫んでいるが、自力では解決できず、結局は米国頼みということか。(国)

[朝鮮新報 2008.5.28]