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春・夏・秋・冬

 「無為無策、麻生政権は何もしないことが国益、(政)権益につながると思っている。しかし、そんな論理は日本、いや永田町とそこに食らい付いている一部の人間の間でしか通じない」。対朝鮮制裁4度目の延長についての大方の見解である

▼麻生政権は、首相の国連総会、所信表明演説、中曽根外相の記者会見などを通じて、6月の北京、8月の瀋陽での実務会談合意内容の履行をあらためて朝鮮側に促したと喧伝している。「(麻生首相ら)最高レベルのメッセージと併せて、外交ルートを通じて申し入れた」と

▼確かに形だけを見れば、「両国間に残る懸案を解決、不幸なる過去の清算にも取り組みながら、日朝関係を前進させる用意があります」(麻生首相の国連総会演説)ともっともらしい文言が並ぶ。しかし、いずれも「北朝鮮の行動に応じ」など、先に朝鮮側が動くことが前提になっている。そもそも立ち返ってみると、平壌宣言の履行について、麻生政権が政策優先順位のどこに位置付けているのか、さっぱり見えてこない。福田前首相が自民党総裁選挙で公約した事実を想起するとその差は大きい

▼また、朝鮮が動かないかぎり前には進みません、とは、実務会談合意をわい曲するものにほかならない。拉致問題再調査委員会設置と制裁部分解除は同時行動である。日本側にその意思があるのかどうかだ

▼人間、誰しにも付与されている祖国往来という基本的な人権を踏みにじり、それを制裁だという傲慢、非人道の思考。国際社会の一員としてあろうとするなら、悔い改め制裁を即時に解除すべきだ。(彦)

[朝鮮新報 2008.10.14]