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春・夏・秋・冬

 反朝鮮、反総連騒動が続いていた1998年、千葉朝鮮会館に凶漢が侵入し放火したうえに宿直中だった総連千葉支部の羅勲副委員長(当時42歳)を殺害した事件から10年が経つ。19日、千葉朝鮮会館で羅勲副委員長の10周忌が千葉県の活動家、同胞たちの参加のもとしめやかに行われた

▼幼かった頃、よく羅勲副委員長が、本紙朝鮮新報や各種行事の案内などを持って家に訪ねてきては、一緒に遊んでくれたことを今でもはっきり覚えている。同胞たちにも「羅トンム」などと呼ばれ、とても慕われていた。警察の不誠実な対応などもあり、10年経った現在も犯行の有力な手がかりはない

▼「10年経てば江山も変わる」という朝鮮の諺があるが、朝鮮の人工衛星打ち上げを口実にした朝鮮と総連、在日同胞バッシングが吹き荒れた10年前と、現在の日本社会の雰囲気がなんら変わっていないことにあらためて愕然とする。朝鮮学校児童に対する暴言や暴行、学校への脅迫電話などの状況を、羅勲副委員長はどのような思いで見つめているだろうか

▼振り返ると「パチンコ疑惑」から「拉致問題」まで、日本当局は常に朝鮮への圧力政策のテコとして、在日同胞に対する弾圧に血眼になってきた。米国が「テロ支援国家」の指定を解除するなど、朝米関係が進展している現在も日本は政策転換の気配すら見せていない

▼日本の朝鮮、在日同胞への政策が抜本的に変わらない以上、羅勲副委員長の犠牲を忘れずに在日同胞の民族的諸権利獲得のためのたたかいを続けていかなければならないと肝に銘じる。(国)

[朝鮮新報 2008.10.22]