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春・夏・秋・冬

 かつて日本の敗戦直後、在日外国人に土地、建物、工場・設備など財産を所有し企業活動を行うことを制限・禁止した政令が発布された時期があった。いわゆる「外国人財産取得令」というもので、GHQの指示の下に当時の日本政府が作ったものだ。当時の外国人のうち、92余%が朝鮮人だったことを考えると、その標的は明らかだった

▼在日同胞と朝連の頑強な反対運動によって、適用対象からの除外を勝ち取ったが、それにしてもこんな悪法がまかり通っていたとは、日本の排外主義の根深さをあらためて思い知らされる

▼ところが、こうした悪夢のような出来事がいま、対馬を舞台に、自民党の一部議員や産経など保守・右翼勢力によって蒸し返されている。いわく、対朝鮮半島軍事戦略の最前線「対馬が危ない」と。何のことかというと、ここ数年、南朝鮮や中国の資本によって対馬の不動産が買収されており、そのうち日本の領土である対馬は外国資本によって「支配」されてしまうのではないかと煽っているのだ

▼日本資本が米国など各国の不動産を買い漁り、また逆に米国や欧州資本などが日本のそれを買い取るという行為は常態化している。それがなぜ対馬だけが問題なのか。自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)は緊急会議を開催して、同地での不動産買収を制限する独自立法なども視野に入れて活動していく方針を決めている

▼米国に追従して、グローバリゼーションを一気に進めてきた日本。今の金融危機はそのしっぺ返しだ。しかし、この排外主義。「三つ子の魂百まで」か。(彦)

[朝鮮新報 2008.11.4]