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米大統領選挙が終わり、米国の対朝鮮政策に世界の注目が集まる中、朝米関係の進展を望まない日本の保守勢力の強硬策は度を越えたものになりつつある ▼民主党の拉致問題対策本部は5日、朝鮮への独自の追加経済「制裁」案をまとめた。全13項目からなるこの「制裁」案は、日本が独自に朝鮮を「テロ国家」に指定し、輸出と送金などの全面禁止など、ヒト、モノ、カネの出入りの全面遮断をうたっている。「拉致」を口実にした「制裁」案だが、宣戦布告にも等しい暴論だ ▼こうした動きに合わせるかのように、米日両政府は自衛隊と米軍による「共同作戦計画」の抜本的な見直し作業に着手したことが10日、明らかになった。「有事」に際し、米軍が使用する民間空港の選定や負傷米兵の搬送と受け入れ態勢の整備など、10数項目が検討課題となっており、来年秋までの完了を目指す方針だという ▼安倍政権以来の対朝鮮強硬策が、拉致問題はおろか朝・日間の諸懸案解決に何の役割も果たしてこなかったことは周知の事実だ。にもかかわらず、追加「制裁」などのさらなる強硬策を推し進めることで何を得ようとしているのか、まったく理解できない ▼米政府筋は10日、今月末までに5万トンの重油提供を朝鮮に行うことを明らかにした。「拉致」を口実に6者会談の義務を果たそうとせず、さらに対決姿勢を強める日本が、6者会談に籍を置く必要はあるのか。遅かれ早かれ米国に追従することは明らかなのだから、「振り上げた拳」を収める方法を考え出した方がよほど建設的だ。(国) [朝鮮新報 2008.11.12] |