top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 手元に「鵬友」という雑誌のコピーがある。「航空自衛隊幹部学校幹部会」発行の昨年2007年の5月号だ。「日本は侵略国家ではなかった」などと懸賞論文に書き、航空幕僚長を更迭された田母神俊雄の論文が載っていると、知り合いのジャーナリストが送ってくれたものだ

▼彼はコピーを送付する時に「懸賞論文は氷山の一角。防衛大学校卒業後、幹部コースを歩き幕僚長に上りつめるまでの全期間、侵略の肯定と賛美の思考で一線に立ってきたことがわかる。頭から湯気が出るほどに怒りがわいてくるかもしれないが、冷静に」とのアドバイスをくれた

▼同号に掲載された論文は「日本人としての誇りを持とう」「日ごろ私が考えていることの一端を述べてみますので、今後の積極的かつ有意義な議論の触媒としていただければ幸い」と断ってある

▼南京大虐殺。「20万人とか30万人とかいう数字があるが…これを見た人は1人もいない」。朝鮮の植民地支配。「学校を造り朝鮮人の教育に力を入れた」「道路、発電所、水道など…多くのインフラも残した」「陸軍士官学校への入校を認めた」「…洪思翊陸軍中将…金錫源大佐…創氏改名などしていない」「日本の中国や朝鮮に対する思い入れは、列強の植民地統治とは全く違っている」

▼常連執筆者だけに、他の号にも類似した表現が踊っているのだろう。ゾッとするのは、前記「幹部会」が読者であること。「正気を失った者」(労働新聞)たちが軍の一線に立っている事実と、当局の露骨な朝鮮(人)敵視。決して過去を忘れてはならない。(彦)

[朝鮮新報 2008.11.14]