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春・夏・秋・冬

 「国際的な水準」−耳には心地よく響いてくる。その言葉を、6者会談団長会談が開かれた北京で米国のヒル国務次官補は連発した

▼「(核の検証について)われわれが求めているのは、北朝鮮を例外扱いにしたものを作ろうとしているのではなく、国際社会全体で機能しているシステムに沿ったものだ」「鑑識活動といった核検出作業を含む科学的措置が必要だが、これまでと異なるものを求めているわけではない」。さらに「北朝鮮は貶められているのではなく、例外の国家として扱われているのではない。国際的な水準に沿ったものだ」と

▼6者会談メンバーの中で、朝鮮と関係が正常なのは中国とロシアである。同会談のテーマである朝鮮半島の核問題を共有する米国との間には国交はむろんなく、未だに朝鮮戦争の当事者として停戦協定下、敵対関係にある。日本はどうか、多言は無用だし、南朝鮮も周知のように「自由民主主義による統一」を口にして、対決路線へ後戻りした

▼こうした構図の中で、朝鮮にとって「国際的な水準」とは中国、ロシアとの間で共有しうる、敵国ではない普通の付き合いをしている国同士、認め合えるものだろう。一方、一極支配を公言し行動に移している(イラン、アフガニスタン)米国にとっては、自らの水準が「国際的な水準」というわけだ

▼いったい、ヒル国務次官補はどちらの「水準」を念頭に置いていたのか。いうまでもなく、後者であることは明らか。これは10月、自ら訪朝して確認した平壌合意に背くものだけに、今会談が進展しなかったのは当然だ。(彦)

[朝鮮新報 2008.12.12]